この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
2/28_米PCE価格、1月+2.5%にやや減速 個人消費は予想外に減少

米商務省が28日発表した2025年1月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇した。伸びは前月の2.6%から減速した。
物価の「瞬間風速」を示す前月比では0.3%上昇で、エコノミスト予想と一致した。前月は0.3%上昇で修正はなかった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年比2.6%上昇。前月は2.9%上昇だった。
前月比では0.3%上昇した。前月は0.2%上昇だった。
前年比での伸びが縮小する一方で、1月は個人消費支出が予想外に減少。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開は6月になるとの市場の見方が裏付けられた。
<個人消費0.2%減、個人所得0.9%増>
個人消費支出は前月比0.2%減。エコノミスト予想は0.1%増だった。昨年12月は0.8%増と、0.7%増から上方改定された。
12月は関税導入で輸入品の価格が上昇するとの見方から消費が押し上げられたとみられる。1月はこうした前倒し需要の効果が薄れたことに加え、全米各地が異例の寒波と雪嵐に見舞われたことで消費が抑制された。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事も影響した可能性がある。
気象条件に加え、トランプ政権が進める関税措置や大幅な支出削減などの政策も経済活動に影響を及ぼしている可能性がある。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ルプキー氏は「消費者はトランプ政権が打ち出す変化を見極めようと右往左往しており、様子見姿勢を取ることを選んだようだ」と述べた。
1月は飲食店での支出も弱含み、消費者の節約志向が強まっていることが示唆された。
個人所得は0.9%増。伸びは予想の0.3%を上回った。
ロイター
今週は注目度の高い経済指標の少ない週でしたが、米PCE価格指数は概ね市場予想通りの結果だったことで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開は6月になるとの市場の見方が裏付けられたとのことです。
注目経済指標&イベント
来週は注目度の高い経済指標が多く、雇用統計をはじめ、すべての指標に注目したいです。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
3/3(月) | 24:00 | (米)2月ISM製造業景況指数 | 50.5 |
3/5(水) | 22:15 | (米)2月ADP雇用統計(前月比) | 14.8万人 |
24:00 | (米)2月ISM非製造業景況指数(総合) | 53.0 | |
3/7(金) | 22:30 | (米)2月非農業部門雇用者数変化(前月比) | 15.8万人 |
22:30 | (米)2月失業率 | 4.0% | |
22:30 | (米)2月平均時給(前月比) | 0.3% | |
22:30 | (米)2月平均時給(前年同月比) | 4.2% |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.84"と高い相関性があるようです。
現在、市場の注目は日米の長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、次回の利下げは6月FOMCくらいと予想されているようですね。先週は9月でしたので早くなっていますね。



以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「147.0円〜151.5円」に設定、目線はやや円高とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。
レート | 根拠 |
---|---|
154.4-5円 | 中期P&Fレジスタンス |
154.0-4円 | 長期P&Fレジスタンス |
152.0円 | 短期P&Fレジスタンス |
151.5-9円 | 長期P&F前回サポート |
151.4-5円 | 中期P&F前回サポート |
151.5円 | 短期P&F前回サポート |
レート | 根拠 |
---|---|
147.0-4円 | 長期P&F円高目標値(水平C) |
結果としては、火曜日に148.5円台まで円高が進みましたが、その後は円売り優勢の展開で金曜日には一時150.9円台まで円安となりました。
トレードに関しては、現在151.5円付近で売り指値を行っておりますが、未約定です。また金曜日に短期チャートで円安シグナルが点灯したことを受けた買い指値は約定し、同日中に利益確定完了しています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きによる変化点はありません。現在、水平カウンティングによる円高シグナルが点灯中で目標値は147.0円付近です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円高 | 147.0-4円 | 154.0-4円 | ー |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは今週の値動きにより×枠の折り返し列が記録され、149.2円付近にサポートが形成されました。
なお、現在のチャート形状は垂直カウティングによるシグナル点灯と見ることもできますが、前回も同方向の円高シグナルでしたので、シグナル点灯はなしと判断することとにしています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 154.4-5円 | 149.2-3円 |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートも、今週の値動きにより水平カウンティングによる円安シグナルが点灯しましたが、同日中に円安目標値に到達しており、現在は次のシグナル点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | ー | 149.1円 |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円高 | 147.0-4円 | 154.0-4円 | ー |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | なし | ー | 154.4-5円 | 149.2-3円 |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | ー | 149.1円 |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
現在、長期チャートで水平Cによる円高シグナルが点灯中です。また、短期チャートで発生した円安シグナルは目標値に到達しました。よって、来週の目線はやや円高方向にしたいと思います。直近の具体的な注目ポイントは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
154.4-5円 | 中期P&Fレジスタンス |
154.0-4円 | 長期P&Fレジスタンス |
151.5-9円 | 長期P&F前回サポート |
151.4-5円 | 中期P&F前回サポート |
レート | 根拠 |
---|---|
149.2-3円 | 中期P&Fサポート |
149.1円 | 短期P&Fサポート |
147.0-4円 | 長期P&F円高目標値(水平C) |
トレードに関しては、151.5円付近(長期・水平C)で売り指値を行っていますが、まだ未約定です。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
P&Fチャートを主軸テクニカルに採用した「FX指値1本勝負!」という記事を無料で公開しています。こちらは以前、noteやPostPrimeで読者のみなさんから大変好評いただいた企画を、P&Fチャートの有効性検証という形でリニューアルして再開したものです。もしよろしければ一度ごらんください。

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「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴18年の私がおすすめする裁量トレード向けのFX会社は「外貨ex by GMO」です。
裁量トレードにおいて、約定力の高さはFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exでは2022年10月21日の為替介入による相場急変時でも、私の指値は注文レートで約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
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まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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