この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
2/3_米ISM製造業景気指数、1月50.9に上昇 22年9月以来の高水準

米供給管理協会(ISM)が3日発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9だった。2024年12月の49.2から上昇し、22年9月以来の高水準となった。ロイターがまとめた1月の市場予想は49.8だった。
拡大・縮小の分岐点となる50を超えたのは22年10月以来初めて。米経済の10.3%を占める製造業の成長を示唆した。
ただ、トランプ米大統領によるカナダ、メキシコ、中国への関税措置により、原材料価格が一段と上昇し、サプライチェーン(供給網)の混乱を招く可能性があることから、回復は長続きしない公算が大きい。
繊維、一次金属、機械を含む8業種が拡大した一方、木材、コンピューター・電子製品などは縮小した。
サブ指数を見ると、先行指標となる新規受注は55.1と前月の52.1から上昇したほか、生産も上向きとなった。
支払い価格は54.9と、前月の52.5から大幅に上昇し、8カ月ぶりの高水準となった。エコノミスト予想は53.5だった。
ロイター
2/4_米12月求人件数、55.6万件減少 過去14カ月で最大の落ち込み

米労働省が4日発表した2024年12月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が55万6000件減の760万件と、過去14カ月で最大の落ち込みを記録した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は800万件だった。ただ、解雇者数が低水準にとどまったことから、労働市場が急激に減速しているわけではないことが示唆された。
11月分は、前回発表の809万8000件から小幅上方修正され、815万6000件となった。
12月の解雇者数は2万9000人減の177万1000人となった。解雇率は4カ月連続で1.1%と横ばいだった。しかし、雇用主は人員増加に慎重な姿勢を維持しているため、解雇された労働者が新しい仕事を見つけるのは難しくなっている。採用件数は8万9000件増の546万2000件となった。採用率は3カ月連続で3.4%だった。
失業者一人当たりの求人件数は1.1で、12月の1.15から減少した。
レイモンド・ジェームズの主任エコノミスト、エウジェニオ・アレマン氏は「労働需要は弱まっているが、崩壊しているわけではない」と述べた。
ロイター
2/5_米1月ADP民間雇用、18.3万人増 予想上回る

米ADPリサーチ・インスティテュートが5日発表した2025年1月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は18万3000人増加した。エコノミスト予想は15万人増だった。
2024年12月分は12万2000人増から17万6000人増に上方修正された。
7日に発表される1月の米雇用統計が注目されている。ロイター調査によると、非農業部門雇用者数は17万人増、失業率は4.1%と予想されている。
ロイター
2/5_米ISM非製造業総合指数、1月52.8に低下 関税による価格上昇懸念

米供給管理協会(ISM)が5日発表した1月の非製造業総合指数は52.8と、前月の54.0から低下した。トランプ政権による関税措置による価格上昇などへの懸念が背景にあるとみられる。ロイターがまとめたエコノミスト予想は54.3だった。
新規受注指数は51.3と、前月の54.4から低下。これを受け、価格指数は60.4と、前月の64.4から低下した。前月は2023年2月以来の高水準を付けていた。
雇用指数は52.3と、前月の51.3から上昇した。
指数は50が拡大と縮小の分岐点となる。
専門・科学・技術サービスの提供業者の一部は「関税の脅威が価格上昇を引き起こしている」と報告。「国際市場が不安定になるとの懸念が、さまざまな材料の不足につながっている」とした。
不動産・レンタル・リース部門の企業は「関税措置が発動されれば、材料費やプロジェクト作業費用が懸念材料になる」との見方を示した。
ロイター
2/7_米1月雇用者14.3万人増、予想下回る 失業率4%で5月以来の低水準

米労働省が7日発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万3000人増と、前月から伸びが鈍化し、市場予想の17万人増も下回った。しかし、失業率は4.0%と昨年5月以来の低水準にあり、米連邦準備理事会(FRB)は少なくとも6月までは利下げを延期できる可能性が高い。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「熱すぎず冷たすぎない適温の内容と言えるかもしれない」とし、「4%の失業率は非常に低いと見なされ、FRBが短期的に金利を据え置く根拠となる」と述べた。
2024年12月の非農業部門雇用者数は30万7000人増に上方改定され、約2年ぶりの伸びとなった。当初発表は25万6000人増だった。
雇用者数は11月も堅調に増加していたことから、その反動で1月の雇用者の伸びが鈍化した可能性がある。
カリフォルニア州の山火事や国内各地の寒波による「目立った影響はなかった」という。
ロイター
今週は多くの注目指標が発表されました。強弱入り混じる内容ではありましたが、結果としてはFRBの早期利下げ観測が後退し、日銀との方向性の違いから円買い・ドル売りの動きが出たようです。
注目経済指標&イベント
来週も多くの経済指標等が予定されています。特に米CPIとパウエル議長の発言には注目したいです。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
2/11(火) | 24:00 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 | ー |
2/12(水) | 22:30 | (米)1月消費者物価指数(CPI)(前月比) | 0.3% |
22:30 | (米)1月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 2.9% | |
22:30 | (米)1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比) | 0.3% | |
22:30 | (米)1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比) | 3.1% | |
24:00 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 | ー | |
2/13(木) | 22:30 | (米)1月卸売物価指数(PPI)(前月比) | 0.3% |
22:30 | (米)1月卸売物価指数(PPI)(前年同月比) | 3.2% | |
22:30 | (米)1月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比) | 0.3% | |
22:30 | (米)1月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比) | 3.3% | |
2/14(金) | 22:30 | (米)1月小売売上高(前月比) | -0.1% |
22:30 | (米)1月小売売上高(除自動車)(前月比) | 0.3% |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.14"ということで、あまり相関性はないようです。
現在、市場の注目は日米の長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、次回の利下げは6月FOMC以降と予想されているようですね。



以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「153.2円〜155.5円」に設定、目線は円高とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。
レート | 根拠 |
---|---|
163.5-9円 | 長期P&F円安目標値(水平C) |
155.4-5円 | 中期P&Fレジスタンス |
155.4円 | 短期P&Fレジスタンス |
レート | 根拠 |
---|---|
154.4-5円 | 中期P&Fサポート |
154.3円 | 短期P&Fサポート |
153.6-7円 | 中期P&F円高目標値(垂直C) |
153.4円 | 短期P&F円高目標値(垂直C) |
153.2-3円 | 中期P&F円高目標値(水平C) |
150.0-4円 | 長期P&Fサポート |
結果としては、私たちの目線通り円高の展開となり、短期チャートと中期チャートの円高目標値に到達しました。しかし、そこで円高は止まらず、今週のNY終値では151.4円付近での推移となっています。
トレードに関しては、155.6円(中期・水平C)で構築した売りポジションは153.2円で利益確定し、156.0円(長期・水平C)で構築した買いポジションは現在も保持している状況です。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより◯枠が大幅に増えましたが、チャートの見方はまだ変わりません。現在も水平カウンティングによる円安シグナルは点灯しており、円安目標値は163.5円付近となっています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 163.5-9円 | 158.0-4円 | 150.0-4円 |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは今週の円買い優勢の展開により、2/5に水平C・垂直Cともに円高目標値に到達し、次回シグナルの点灯待ちとなっています。現在は円高目標値を大幅に過ぎている状況ですので、現水準は中期的には行き過ぎと見ています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 155.0-1円 | ー |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートも、今週の円買い優勢の展開により、2/5に垂直Cの円高目標値に到達し、次回シグナルの点灯待ちとなっています。現在は円高目標値を大幅に過ぎている状況ですので、現水準は短期的には行き過ぎと見ています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 155.1円 | ー |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円安 | 163.5-9円 | 158.0-4円 | 150.0-4円 |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | なし | ー | 155.0-1円 | ー |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | 155.1円 | ー |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
現在、長期チャートで水平Cによる円安シグナルが点灯中です。また、中期チャートと短期チャートでは円高目標値を大幅に行き過ぎているので、現水準は円買いが行き過ぎている状況と考えられます。よって、来週の目線は横ばいからやや円安方向で行きたいと思います。直近の具体的な注目ポイントは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
163.5-9円 | 長期P&F円安目標値(水平C) |
155.0-1円 | 中期P&Fレジスタンス |
155.1円 | 短期P&Fレジスタンス |
154.4-5円 | 中期P&F前回サポート |
154.3円 | 短期P&F前回サポート |
153.6-7円 | 中期P&F前回円高目標値(垂直C) |
153.4円 | 短期P&F前回円高目標値(垂直C) |
153.2-3円 | 中期P&F前回円高目標値(水平C) |
レート | 根拠 |
---|---|
150.0-4円 | 長期P&Fサポート |
ただ現状、P&F上は150円台前半までサポートがありません。先週末に150.9円台に一時突入する場面がありましたが、同水準まで円買いが終わらない可能性もありそうです。また、万一同水準を割り込んだ場合には、長期チャートのシグナルが円高に転換しますので、長期的な目線の変更を迫られそうです。
トレードに関しては、156.0円(長期・水平C)で構築した買いポジションを保持した状態のままですが、150円台を維持している限りは様子見しようと思います。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
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そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
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記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
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注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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