この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、実トレードに臨む際の考え方などを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
9/25_早ければ「年内にも様子見解除が可能に」と1人の委員=日銀7月会合要旨

日銀が7月30、31日に開いた金融政策決定会合では、1人の委員が、米国の高関税政策によっても米国経済が想像以上に持ちこたえるようであれば日本経済への下押しも軽微にとどまると指摘し、「早ければ年内にも現状の様子見モードが解除できるかもしれない」と述べていたことが分かった。生活必需品などがけん引する形で物価上昇率が2%を上回る状況が長引くようであれば「時機を失することなく緩和度合いの調整を進めることが適当だ」との指摘も、別の1人の委員から出ていた。
日銀が25日に決定会合の議事要旨を公表した。同会合では、政策金利を0.5%で据え置くことを全員一致で決めた。
決定会合では、政策金利が中立金利を下回っている点を先行きの利上げの根拠にする委員が複数見られた。1人の委員は、その時々の金融・経済環境に配慮しつつも「政策金利をなるべく中立金利に向けて戻していくことが、意図しない経済のゆがみを抑制する上でも望ましい方向だ」と指摘した。別のある委員も、政策金利が中立金利を下回っているから今後も可能なタイミングで利上げを進めていくべきだと主張。その上で「日米関税交渉の妥結に対して株式市場がポジティブな受け止め方をしている中、過度に慎重になって利上げのタイミングを逸することにならないよう留意する必要がある」と述べた。
ロイター
9/26_米8月PCE価格2.7%上昇に加速、インフレ加速も支出堅調

米商務省が26日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇した。7月の2.6%上昇から若干加速し、市場予想と一致した。インフレは加速しているものの、支出は底堅く、米経済が第3・四半期も堅調を維持している兆候を示唆した。
前月比も0.3%上昇で、予想と一致。7月の0.2%上昇から加速した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比2.9%上昇、前月比0.2%上昇で、伸びはともに7月と同じだった。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、「政策金利を直ちにかつ大幅に引き下げる必要があるというミラン米連邦準備理事会(FRB)理事の主張を裏付ける内容ではない」と指摘。「実際のところ、金融緩和を推奨するような根拠は全くない」と述べた。
ロイター
来週の主な注目経済指標&イベント
日付 | 時間 | 経済指標・イベント |
---|---|---|
9/30(火) | 23:00 | (米)8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 |
10/1(水) | 21:15 | (米)9月ADP雇用統計(前月比) |
23:00 | (米)9月ISM製造業景況指数 | |
10/3(金) | 21:30 | (米)9月非農業部門雇用者数変化(前月比) |
21:30 | (米)9月失業率 | |
21:30 | (米)9月平均時給(前月比) | |
21:30 | (米)9月平均時給(前年同月比) | |
23:00 | (米)9月ISM非製造業景況指数(総合) |
上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、経済指標や経済イベントを重視したい方は、FX会社や証券会社のサイトで情報を入手しておきましょう。私は外為どっとコムのサイトを愛用しています。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利チャート
米長期金利のNY市場終値は、前週末比+0.04%の”4.17%”です。米長期金利は今週も青線のサポートラインを維持していますね。
ただ、現在FRBと日銀の金融政策の方向性が異なっていることから、この先下落トレンド入りするのかに注目です。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.79"で、引き続き逆相関の関係にあるようです。日米金利差がどんどん狭まってきていますね。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、次回10月のFOMCでは0.25%の利下げ予想が87.7%と先週の93.4%からは低下したものの、まだ大半を占めていますね。なお、この先3回連続の利下げ予想は先週の約4割から2割程度に低下したようです。



以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができました。今週のファンダメンタル要素が現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「146.5円〜148.9円」に設定、週明け時点の目線は短期的には円安とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。そして、短期チャートの目標値148.5円付近到達後に円買い優勢の流れになることを想定していました。
レート | 根拠 |
---|---|
148.5-9円 | 長期P&Fレジスタンス |
148.4-5円 | 中期P&Fレジスタンス |
148.5円 | 短期P&F円安目標値 |
レート | 根拠 |
---|---|
146.5-9円 | 長期P&Fサポート |
146.6-7円 | 中期P&Fサポート |
146.5円 | 短期P&Fサポート |
142.2-3円 | 中期P&F円高目標値 |
141.0-4円 | 長期P&F円高目標値 |
トレード戦略評価
結果としては、水曜日に短期チャートの目標値に到達となり、ここまでは予想通りでした。しかし、そこでは円安が止まらず、中期チャートで円安シグナルに転換。さらに翌木曜日には長期チャートでも円安シグナルに転換する展開となりました。
P&Fシグナルの転換に伴い、保持していた売りポジションは損切りして買い指値をしています。往復ビンタは何度経験しても精神的にきついです。。。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のドル円のボラティリティー状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより148.5円付近のレジスタンスを上抜けたため、円安シグナルに転換しています。
先日、チャートの感度を上げるために4時間足にしましたが、裏目に出てしまっているので、今回のシグナルが消滅したら日足に戻そうと思います。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 156.0-4円 | ー | 146.5-9円 |
垂直 | ー | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより148.4円付近のレジスタンスを上抜けたため、円安シグナルに転換しています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 153.8-9円 | ー | 146.6-7円 |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは、24日の値動きにより148.5円付近の円安目標値に完全到達し、だいぶ行き過ぎて推移している状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | ー | 146.5円 |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円安 | 156.0-4円 | ー | 146.5-9円 |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | 円安 | 153.8-9円 | ー | 146.6-7円 |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | ー | 146.5円 |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
週初時点では、長期・中期チャートにおいて、円安シグナルが点灯しています。よって、週明けの目線は円安にしようと思います。ただ、短期チャートでは前回円安目標値をだいぶ行き過ぎている状況ですので、一度は押し目が来ることを想定・期待したいです。
また、円安方向のレジスタンスが存在しない状況ですが、この先どこかでレジスタンスが形成されることも想定しておきたいです。
週明け時点の具体的な注目レートは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
156.0-4円 | 長期P&F円安目標値 |
153.8-9円 | 中期P&F円安目標値 |
レート | 根拠 |
---|---|
148.5-9円 | 長期P&F前回レジスタンス |
148.5円 | 短期P&F前回円安目標値 |
148.4-5円 | 中期P&F前回レジスタンス |
146.5円 | 短期P&Fサポート |
なお、トレード検証に関しては、中期チャートと長期チャートの円安シグナルを根拠にした買い指値をシグナル点灯水準付近で行っていますが、まだ約定には至っておりません。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
P&Fチャートを主軸テクニカルに採用した「FX指値1本勝負!」という記事を無料で公開しています。こちらは以前、noteやPostPrimeで読者のみなさんから大変好評いただいた企画を、P&Fチャートの有効性検証という形でリニューアルして再開したものです。もしよろしければ一度ごらんください。

8通貨ペア13種類のP&Fチャート情報
私のPostprimeのプライム投稿では、平日毎朝8通貨ペア13種類のP&Fチャート情報を公開しています。誰でも2週間無料で購読可能ですので、もしよろしければ是非一度ご覧ください。
- PostPrimeで毎日公開しているP&Fチャートからドル円を公開している公開裁量トレードを行うなら毎日チャートの変化をチェックすることは欠かせません。私のPostPrimeでは各種通貨ペアのP&Fチャートにて毎日公開しています。P&Fをご自身のテクニカル分析に取り入れてみたい方は、よろしければ購読ください。2週間は無料で購読可能です。
「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴18年の私がおすすめする裁量トレード向けのFX会社は「外貨ex by GMO」です。
裁量トレードにおいて、約定力の高さはFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exでは2022年10月21日の為替介入による相場急変時でも、私の指値は注文レートで約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
"Cymo"はサイバーエージェントFX時代からのアプリで、GMOグループになった現在はアップデートが停止していますが、チャートの見やすさやIFD-OCO注文のしやすさは抜群です。チャートの見やすさは適切な判断に、注文のしやすさは精神の安定に欠かせません。
まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴18年の私がおすすめする裁量トレード向けのFX会社は「外貨ex by GMO」です。
裁量トレードにおいて、約定力の高さはFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exでは2022年10月21日の為替介入による相場急変時でも、私の指値は注文レートで約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
"Cymo"はサイバーエージェントFX時代からのアプリで、GMOグループになった現在はアップデートが停止していますが、チャートの見やすさやIFD-OCO注文のしやすさは抜群です。チャートの見やすさは適切な判断に、注文のしやすさは精神の安定に欠かせません。
まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
コメント