この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、実トレードに臨む際の考え方などを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
7/1_FOMC、7月利下げ支持少数 関税影響なお懸念=議事要旨

米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した6月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、早ければ7月に利下げが可能だとの認識を示したのは参加者19人のうち「2人」にとどまった。
「大半の参加者」は、トランプ米大統領の関税措置による物価への影響を依然として懸念している。その上で、価格への影響は「一時的もしくは小幅」になると見込み、年内に利下げが適切になるとの見解を示した。
「一部」の政策立案者は利下げは必要ないとし、「複数」は現在の政策金利の水準が中立金利を「それほど上回っていない」と認識。トランプ氏が求める大幅な利下げとは異なる見解を示した。
FRBは6月のFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置くことを全会一致で決定した。FRBの予測中央値は年内に利下げ2回を見込んでいる。パウエル議長は記者会見で、 トランプ政権の関税の影響について「夏にかけて一層表れる」という見通しを示した。 もっと見る
ロイター
来週の主な注目経済指標&イベント
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
7/15(火) | 21:30 | (米)6月消費者物価指数(CPI)(前月比) | 0.3% |
21:30 | (米)6月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 2.6% | |
21:30 | (米)6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比) | 0.3% | |
21:30 | (米)6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比) | 3.0% | |
7/16(水) | 21:30 | (米)6月卸売物価指数(PPI)(前月比) | 0.2% |
21:30 | (米)6月卸売物価指数(PPI)(前年同月比) | 2.5% | |
21:30 | (米)6月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比) | 0.2% | |
21:30 | (米)6月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比) | 2.7% | |
7/17(木) | 21:30 | (米)6月小売売上高(前月比) | 0.0% |
21:30 | (米)6月小売売上高(除自動車)(前月比) | 0.2% | |
7/18(金) | 8:30 | (日)6月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 3.3% |
8:30 | (日)6月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比) | 3.3% | |
8:30 | (日)6月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比) | 3.3% |
上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、経済指標や経済イベントを重視したい方は、FX会社や証券会社のサイトで情報を入手しておきましょう。私は外為どっとコムのサイトを愛用しています。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利チャート
米長期金利のNY市場終値は前週末比+0.07%の”4.42%”です。この先、しばらくは横ばいの展開が続くと予想しておりましたが、今のところその通りの展開になっていますね。今週は4.35%付近がレジスタンスになるのかに注目していましたが、レジスタンスにはならずに上抜けてきましたので、まだ横ばいの展開が続きそうです。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.28"で、やや逆相関の関係にあるようです。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、7月のFOMCでは据え置きが確実視、9月のFOMCでは利下げ予想が優勢のようですね。また、その先10月のFOMCまでには利下げされることが確実視されているようです。



以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができました。今週のファンダメンタル要素が現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「143.0円〜146.1円」に設定、週明け時点の目線は円高(円買い優勢)とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。また、目標値到達後の横ばいの展開が継続することも想定したいとしていました。
レート | 根拠 |
---|---|
149.0-4円 | 長期P&F円安目標値 |
146.0-1円 | 中期P&Fレジスタンス |
144.9円 | 短期P&Fレジスタンス |
レート | 根拠 |
---|---|
143.4-5円 | 中期P&Fサポート |
143.4円 | 短期P&Fサポート |
143.0-4円 | 長期P&Fサポート |
142.6円 | 短期P&F円高目標値 |
141.8-9円 | 中期P&F円高目標値 |
トレード戦略評価
結果としては、7月7日の値動きにより短期チャートで、7月8日の値動きにより中期チャートでシグナルが転換する結果となりました。今回のシグナルはリスクリワードが1以下であったため、トレードを見送りにして正解でしたね。
なお、長期チャートのシグナルに沿った買いポジションは、現在も保有している状況です。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより146円付近のレジスタンスを上抜けてきました。円安シグナルの目標値149.0円付近に向けて、順調に推移していますね。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 149.0-4円 | ー | 143.5-9円 |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより円安シグナルに転換しており、目標値は148.4円付近です。リスクリワードは1以下となっています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 148.4-5円 | ー | 143.4-5円 |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは、今週の値動きにより円安シグナルに転換したのですが、同日中に目標値に到達しておりますので、円安目標値を行き過ぎている状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | ー | 144.5円 |
垂直 | 目標値到達済 | 146.0円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円安 | 149.0-4円 | ー | 143.5-9円 |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | 円安 | 148.4-5円 | ー | 143.4-5円 |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | ー | 144.5円 |
垂直 | 目標値到達済 | 146.0円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
今週は長期チャートと中期チャートで円安シグナルが点灯中しています。よって、週明けの目線は円安(円売り優勢)にしようと思います。
週明け時点の具体的な注目レートは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
149.0-4円 | 長期P&F円安目標値 |
148.4-5円 | 中期P&F円安目標値 |
レート | 根拠 |
---|---|
146.0-4円 | 長期P&F前回レジスタンス |
146.0-1円 | 中期P&F前回レジスタンス |
144.5円 | 短期P&Fサポート |
143.5-9円 | 長期P&Fサポート |
143.4-5円 | 中期P&Fサポート |
具体的なトレードに関しては、長期チャートの円安シグナルを根拠にした144.5-9円での買いポジションは保持したままにしようと思います。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
P&Fチャートを主軸テクニカルに採用した「FX指値1本勝負!」という記事を無料で公開しています。こちらは以前、noteやPostPrimeで読者のみなさんから大変好評いただいた企画を、P&Fチャートの有効性検証という形でリニューアルして再開したものです。もしよろしければ一度ごらんください。

8通貨ペア13種類のP&Fチャート情報
私のPostprimeのプライム投稿では、平日毎朝8通貨ペア13種類のP&Fチャート情報を公開しています。誰でも2週間無料で購読可能ですので、もしよろしければ是非一度ご覧ください。
- PostPrimeで毎日公開しているP&Fチャートからドル円を公開している公開裁量トレードを行うなら毎日チャートの変化をチェックすることは欠かせません。私のPostPrimeでは各種通貨ペアのP&Fチャートにて毎日公開しています。P&Fをご自身のテクニカル分析に取り入れてみたい方は、よろしければ購読ください。2週間は無料で購読可能です。
「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴18年の私がおすすめする裁量トレード向けのFX会社は「外貨ex by GMO」です。
裁量トレードにおいて、約定力の高さはFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exでは2022年10月21日の為替介入による相場急変時でも、私の指値は注文レートで約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
"Cymo"はサイバーエージェントFX時代からのアプリで、GMOグループになった現在はアップデートが停止していますが、チャートの見やすさやIFD-OCO注文のしやすさは抜群です。チャートの見やすさは適切な判断に、注文のしやすさは精神の安定に欠かせません。
まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴18年の私がおすすめする裁量トレード向けのFX会社は「外貨ex by GMO」です。
裁量トレードにおいて、約定力の高さはFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exでは2022年10月21日の為替介入による相場急変時でも、私の指値は注文レートで約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
"Cymo"はサイバーエージェントFX時代からのアプリで、GMOグループになった現在はアップデートが停止していますが、チャートの見やすさやIFD-OCO注文のしやすさは抜群です。チャートの見やすさは適切な判断に、注文のしやすさは精神の安定に欠かせません。
まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
コメント