この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、実トレードに臨む際の考え方などを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
6/24_FRB議長議会証言、利下げ急がずと再表明 「関税見極め必要」

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日、下院金融サービス委員会で証言した。関税の引き上げで今夏にインフレが加速し始める可能性があるとし、トランプ大統領が繰り返し要求している利下げを急がない姿勢を改めて表明にした。
共和党議員らがトランプ大統領の要求通り金利を引き下げるべきだと示唆したことに対し、パウエル議長は、年間を通じてインフレが上昇するという見通しがエコノミスト間で広く共有されていると反論。トランプ大統領の貿易政策の主要な部分が流動的であるとして、FRBが利下げに消極的である理由を詳しく説明した。
とりわけ、7月の利下げが正当化される可能性があるとの見方を示したFRB高官2人の発言に言及し、利下げの具体的な月は示さないと強調。労働市場が引き続き堅調で、関税の影響を巡る不確実性が非常に高いことを踏まえ、「特定の会合について指摘したくない。急ぐ必要はない」と述べた。
関税による物価上昇が予想されることについては、「夏にかけて、6月と7月の数字に表れ始めるはずだ。もし表れなければ、(消費者への)転嫁が、われわれが考えているよりも小幅になるという考えは完全に受け入れ可能で、政策にも影響するだろう」と述べた。
ロイター
6/27_米5月PCE価格、前年比2.3%上昇 個人消費支出は予想外の減少

米商務省が27日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.3%上昇し、前月の2.2%から小幅加速した。
物価の「瞬間風速」を示す前月比は0.1%上昇し、伸びは前月と同じだった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は、前年比2.7%、前月比0.2%それぞれ上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)が注視するこの指標は、依然として2%の目標を上回っている。
一方、個人消費支出は前月比0.1%減で、エコノミスト予想の0.1%増に反しマイナスに転じた。これは、トランプ政権による関税発動を見越して自動車などの耐久財を前倒しで購入していた反動とみられる。4月は0.2%の増加だったが、5月は今年2度目の減少となった。
財(モノ)への支出は0.8%減少。特に自動車などの長期耐久財が1.8%落ち込んだ。ガソリンや食品などの非耐久財も減少した。
一方、サービスへの支出も0.1%増にとどまった。ホテル・レストラン、金融サービス、交通サービスなどで支出が減少したが、住宅・光熱費や医療費は増加した。
ロイター
来週の主な注目経済指標&イベント
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
7/1(火) | 22:30 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 | ー |
22:30 | (日)植田和男日銀総裁、発言 | ー | |
23:00 | (米)6月ISM製造業景況指数 | 48.8 | |
23:00 | (米)5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 | 726.0万件 | |
7/2(水) | 21:15 | (米)6月ADP雇用統計(前月比) | 9.5万人 |
7/3(木) | 21:30 | (米)6月非農業部門雇用者数変化(前月比) | 11.0万人 |
21:30 | (米)6月失業率 | 4.3% | |
21:30 | (米)6月平均時給(前月比) | 0.3% | |
21:30 | (米)6月平均時給(前年同月比) | 3.8% | |
23:00 | (米)6月ISM非製造業景況指数(総合) | 50.8 |
今は投資家の注目がトランプ政策実行後の米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利チャート
米長期金利のNY市場終値は前週末比-0.10%の”4.28%”です。この先、しばらくは横ばいの展開が続くと予想しておりましたが、今週は4.35%付近のサポートを割り込んできたことで下落が進んでいますね。この先、4.15%付近がサポートになるのかに注目です。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.21"で、相関性はあまり無いようです。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、7月のFOMCでは据え置きが確実視、9月のFOMCでは利下げ予想が優勢のようですね。


以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができました。今週のファンダメンタル要素が現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「143.0円〜149.4円」に設定、週明け時点の目線は円安(円売り優勢)とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。また、短期チャートと中期チャートは目標値到達となったばかりでしたので、一旦横ばいの展開を挟む可能性もあるとしていました。
レート | 根拠 |
---|---|
149.0-4円 | 長期P&F円安目標値 |
145.6-7円 | 中期P&F前回円安目標値 |
145.5円 | 短期P&F前回円安目標値 |
レート | 根拠 |
---|---|
144.5-9円 | 長期P&F前回レジスタンス |
144.8-9円 | 中期P&F前回レジスタンス |
144.8円 | 短期P&F前回レジスタンス |
143.6-7円 | 中期P&Fサポート |
143.5円 | 短期P&Fサポート |
143.0-4円 | 長期P&Fサポート |
トレード戦略評価
今週は月曜日に148円台に乗せる場面がありましたが、その後は円買い優勢の展開で横ばいの展開に入ったようにも見える結果となりました。トレードは長期チャートのシグナルに沿った買いトレードを行っており、現在も買いポジションを保有している状況です。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより146.0円付近にレジスタンスが形成されました。なお、現在も円安シグナルは点灯中で、目標値は149.0円付近です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 149.0-4円 | 146.0-4円 | 143.0-4円 |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより146.0円付近にレジスタンスが形成されましたが、現在も次回シグナルの点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 146.0-1円 | 143.6-7円 |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは、今週の値動きにより146.1円付近にレジスタンスが形成されましたが、現在も次回シグナルの点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 146.1円 | 143.5円 |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円安 | 149.0-4円 | ー | 143.0-4円 |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | なし | ー | 146.0-1円 | 143.6-7円 |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | 146.1円 | 143.5円 |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
今週は長期チャートで円安シグナルが点灯中ですので、週明けの目線は引き続き円安(円売り優勢)にしようと思います。ただ、目標値到達後の横ばいの展開が継続する可能性もありそうです。
週明け時点の具体的な注目レートは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
149.0-4円 | 長期P&F円安目標値 |
146.0-4円 | 長期P&Fレジスタンス |
146.0-1円 | 中期P&Fレジスタンス |
146.1円 | 短期P&Fレジスタンス |
レート | 根拠 |
---|---|
144.5-9円 | 長期P&F前回レジスタンス |
143.6-7円 | 中期P&Fサポート |
143.5円 | 短期P&Fサポート |
143.0-4円 | 長期P&Fサポート |
具体的なトレードに関しては、長期チャートで円安シグナルが点灯したままですので、現在保有している144.5-9円での買いポジションは保持したままにしようと思います。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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FX指値1本勝負!
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
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統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
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さいごに
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私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
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最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
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「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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