この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
12/24_追加利上げ、「時間かけて慎重に」=日銀10月会合議事要旨
日銀が10月30―31日に開いた金融政策決定会合で、1人の委員が「政策金利引き上げの判断は時間をかけて慎重に行う必要がある」と述べていたことが明らかになった。日銀が24日、10月会合の議事要旨を公表した。
日本が過去30年間、0.5%を上回る政策金利を経験してこなかったため、「金利のある世界」への移行には相応の不確実性があるとこの委員は指摘した。また、同委員を含む何人かの委員が、これまでの政策金利引き上げの経済・物価への影響も見極める必要があると述べていた。
同会合で日銀は全員一致で政策金利を0.25%で据え置いた。1人の委員が国内外における不確実性の高まりを理由に「金融政策をより慎重に運営していく必要がある」と話した。
一方で、追加利上げにより前向きな姿勢をにじませた委員もいた。この委員は経済・物価が想定通り推移する場合、早ければ2025年度後半に1.0%の水準まで段階的に利上げしていくパスを前提とすれば、経済・物価の進捗を見守る時間が「今回はある」と話した。
ロイター
今週は年の瀬ということもあり、注目すべきイベントや経済指標に乏しい1週間でしたね。日銀金融政策決定会合の議事要旨が結果公表がありましたね。1人の委員が「政策金利引き上げの判断は時間をかけて慎重に行う必要がある」と述べていたことが明らかになったとのことですが、ドル円相場への大きな影響はありませんでした。
注目経済指標&イベント
来週は年末年始ということで注目指標に乏しい状況ですが、ISM製造業景況指数は結果次第では大きく動く可能性がありますので要注目です。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
1/3(金) | 24:00 | (米)12月ISM製造業景況指数 | 48.3 |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.80"ということで、相関性の高い状況のようです。
現在、市場の注目は日本と米の長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、次回1月FOMCでは据え置きが"89.3%"と確実視されているようですね。ただ、次回FOMCまではまだ1ヶ月ありますので、今後の推移を把握しておきましょう。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「153.5円〜158.3円」に設定、目線は円安とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。
レート | 根拠 |
---|---|
163.5-9円 | 長期P&F円安目標値(水平C) |
158.2-3円 | 中期P&F円安目標値(水平C) |
157.4-5円 | 中期P&Fレジスタンス |
157.4円 | 短期P&Fレジスタンス |
レート | 根拠 |
---|---|
156.0-4円 | 長期P&F前回レジスタンス |
155.2-3円 | 中期P&F前回レジスタンス |
154.0円 | 短期P&F前回レジスタンス |
153.5円 | 短期P&Fサポート |
149.6-7円 | 中期P&Fサポート |
結果としては、目線通りに円売り優勢の展開が継続しました。また、26日には157.4円付近のレジスタンスも上抜けしており、中期P&F円安目標値「158.2-3円」まであとわずかのところまで円安が進んでいます。
トレードに関しては、長期チャートの円安シグナルを根拠にした買いポジション(少量保持)に加えて、28日には中期チャートの垂直カウンティングをトレード根拠にした買い指値を174.4円で行いましたが、無事に約定しています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより×枠が1枠増えましたがチャートの見方は変わりません。現在、水平カウンティングによる円安シグナルが点灯しており、円安目標値は163.5円付近となっています。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 163.5-9円 | ー | 150.0-4円 |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより垂直カウンティングによる円安シグナルも点灯し、円安目標値は164.2円付近となっています。
なお、先々週点灯した水平カウンティングによる円安シグナル(円安目標値:158.2円付近)は、目標値まであとわずかな位置まで接近しています。なお、リスクリワードが1以下となっているため、トレードの際には損切りポイントの設定に注意が必要です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | 円安 | 158.2-3円 | ー | 156.4-5円 |
垂直 | 円安 | 164.2-3円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは26日の値動きにより157.4円付近のレジスタンスを上抜けたため、垂直カウンティングによるシグナル点灯!と考えたいところですが、前回も円安シグナルでしたので、今回はシグナル点灯なしと判断しています。(同方向の連続したシグナルは到達確率が下がるため)
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | ー | 156.4円 |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | 円安 | 163.5-9円 | ー | 150.0-4円 |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | 円安 | 158.2-3円 | ー | 156.4-5円 |
垂直 | 円安 | 164.2-3円 | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | ー | 156.4円 |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
現在、長期チャートと中期チャートで水平Cによる円安シグナルが点灯中となっていますので、目線は円安で行きたいと思います。直近の具体的な注目ポイントは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
164.2-3円 | 中期P&F円安目標値(垂直C) |
163.5-9円 | 長期P&F円安目標値(水平C) |
158.2-3円 | 中期P&F円安目標値(水平C) |
レート | 根拠 |
---|---|
157.4-5円 | 中期P&F前回レジスタンス |
157.4円 | 短期P&F前回レジスタンス |
156.4-5円 | 中期P&Fサポート |
156.4円 | 短期P&Fサポート |
156.0-4円 | 長期P&F前回レジスタンス |
トレードに関しては、28日に中期チャートの垂直カウンティングをトレード根拠にした買い指値を174.4円で行いまして、無事に約定しています。また長期チャートの円安シグナルを根拠にした買いポジション(156円、少量構築済)は、保持しています。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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