この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
10/17_米小売売上高、9月は0.4%増 予想上回る
米商務省が17日発表した9月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.4%増と、エコノミスト予想の0.3%増を若干上回った。ガソリン価格の下落により消費者が飲食店での支出を増やしたとみられ、第3・四半期も経済が力強い成長を維持したとの見方を裏付けた。
8月は0.1%増と前回発表から改定されなかった。9月の前年同月比は1.7%増だった。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「9月の堅調な個人消費は、7─9月期の経済成長がトレンドをしっかりと上回っていたことを示している。米連邦準備理事会(FRB)は11月と12月に0.25%ポイントの利下げを行う可能性が高いというのが基本シナリオだ」と述べた。
自動車、ガソリン、建築資材、食品サービスを除く小売売上高は0.7%増、前月は0.3%増で改定されなかった。
ロイター
今週は注目指標の少ない週でしたが、17日に発表された米小売売上高が市場予想を上回ったことなどを受けて日米金利差の拡大観測が強まり、円売り優勢の展開となりましたね。
なお、最新の予想利下げ幅の状況は、のちほどCMEのFedWatchツールで確認しようと思います。
注目経済指標&イベント
来週の注目経済指標を選定しました。来週は注目指標の少ない週になります。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
10/24(木) | 22:45 | (米)10月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値) | 47.6 |
22:45 | (米)10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) | 55.2 | |
22:45 | (米)10月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値) | ー | |
23:00 | (米)9月新築住宅販売件数(年率換算件数) | 72.0万件 | |
23:00 | (米)9月新築住宅販売件数(前月比) | 0.6% | |
10/25(金) | 23:00 | (米)10月ミシガン大学消費者態度指数・確報値 | 69.5 |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.10"ということで、ここまで強かった相関関係性が無くなっているようですね。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、市場参加者の次回11月FOMCでの利下げ予想は"90.4"に低下しています。線ん週までは"100%"を維持していましたので、市場参加者の見方が変わってきているようですね。
なお、12月時点での米長期金利は、4.25〜4.50%と予想している参加者が"84.4%"(先週末時点)から"76.8%"に低下しています。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「142.2円〜150.9円」に設定、目線は円安としました。そして、直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が長期P&F円安目標値「150.5-9円付近」、円高方向が短期P&Fサポート「148.6円付近」と中期P&Fサポート「142.2-3円付近」を挙げていましたね。
結果としては、148.8円を下値として全般的には円売り優勢の展開となりました。また、木曜日は心理的節目でもある150円台乗せを達成し、一時150.3円まで円安となりましたが、長期P&F円安目標値「150.5-9円付近」には届きませんでしたね。惜しい・・・
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより×枠が2枠増えましたが、チャートの見方は変わりません。現在は水平カウンティングによる円安シグナルが点灯しており、円安目標値は150.5円付近です。今週は150.3円台まで円安となりました。目標値まであとわずかというところに迫りました。
本ブログでは目標値完全到達までは目標値未到達として考えますが、長期予想での20銭は誤差と考えることも十分できますので、150.3円到達を目標値到達と見なすか否かで戦略が変わってきそうです。
シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安 | 150.5-9円 | ー | 142.5-9円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより148.6円付近が新たなサポートになっています。現在はシグナル点灯待ちの状況です。
なお、チャート形状的には垂直Cによる円安シグナルが点灯中と見ることもできますが、2回続けて同じ方向のシグナルで、かつ、垂直Cによる円安シグナルは水平Cに比べて一般的に到達確率が低めですので、今回はシグナル点灯とは判断していません。なお、仮にシグナル点灯とみなす場合、円安目標値は155.6円付近となります。
シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | ー | 148.6-7円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは、今週の値動きによりジリジリとレジサポ位置を切り上げている状況です。最新のレジスタンスは150.1円に更新されています。現在は垂直Cによる円安シグナルが点灯中で、円安目標値は154.6円となっています。
シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 150.1円 | 149.2円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | 円安 | 150.5-9円 | ー | 142.5-9円 |
中期P&F | なし | ー | ー | 148.6-7円 |
短期P&F | なし | ー | 150.1円 | 149.2円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
長期チャートで水平Cによる円安シグナルが点灯中、短期チャートでは垂直Cによる円安シグナルが点灯中の状況です。
以上のことから、テクニカル的には長期的な円安トレンドの中での短期的な円安の展開が想定されます。
よって、来週の予想レンジは「148.6円〜150.9円」とし、目線は円安とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が長期P&F円安目標値「150.5-9円付近」と短期P&Fレジスタンス「150.1円付近」、円高方向が短期P&Fサポート「148.6円付近」と中期P&Fサポート「148.6-7円付近」です。
トレードに関しては、現在149.2-3円と148.6円〜148.3円台で買いポジションを構築済みです。この先は、長期シグナルの円安目標値での一部利確する予定です。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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大きな流れに逆らうときは控えめに
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つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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