この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
9/27_米PCE価格、8月は2.2%に伸び鈍化 3年半ぶり低水準
米商務省が27日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.2%上昇し、前月の2.5%から鈍化した。伸びは2021年2月以来、約3年半ぶりの低水準。ただ、第3・四半期も堅調な経済成長が続くとの見方に変わりはない。
前月比は0.1%上昇でエコノミスト予想と一致、7月は0.2%上昇で改定されなかった。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は、前年比2.7%上昇、7月は2.6%上昇だった。前月比は0.1%上昇、7月は0.2%上昇で改定されなかった。
米連邦準備理事会(FRB)は、インフレ動向を見極める上でPCE価格を重視している。
エコノミストは、貯蓄率の上昇と堅調な賃金上昇で向こう数カ月の消費支出が下支えされるとの見通しを踏まえ、FRBが9月に続き11月の会合でも0.50%ポイントの大幅利下げを決定することはないと予想。今回のPCE価格指数よりも、来週発表される9月の雇用統計の方がFRBの利下げペースに大きな影響を及ぼすとの見方を示している。
ロイター
9/27_石破新総裁に金融市場の洗礼、円高に株急落 一過性か期待と不安
自民党の石破茂新総裁の誕生に金融市場は、株安・円高・金利上昇で反応した。財政刺激・金融緩和を主張する高市早苗経済安保相の勝利を事前に織り込んでいた反動が強く出た格好だ。目先はこうした「高市トレード」の巻き戻しがいつ収まるのかが焦点だ。
石破氏の勝利を受けて「株式市場では金融緩和を主張する高市氏に期待が高まっていたことから、いったん悲観的なムードが漂うだろう」と、大和証券の末広徹チーフエコノミストは話す。
総裁選の投開票が進んでいた取引時間中には、リフレ的政策を志向すると見込まれた高市氏の勝利を織り込むような動きが広がった。
石破氏勝利が伝わった直後には「高市トレード」の逆回転が生じて、ドル/円は146円付近から142円後半へと急落。日経平均の先物は現物終値比で2000円超下落する場面があった。今晩の海外市場の反応を見極める必要があるものの、週明けは株安で始まるとみられている。
市場では石破氏に対し「緊縮財政を志向するのではないかとの警戒感が根強い。ようやく日本経済がデフレを脱しつつある中で、マクロ経済への悪影響が出ないよう期待したい」と、しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは指摘する。
ロイター
昨日発表された米PCE価格は2021年2月以来の低い伸びで、約3年半ぶりの低水準だったことを受けて、ドル売り円買いが進んだようです。また自民党総裁選挙は石破氏の勝利を受けて、高市氏の勝利を事前に織り込んでいた反動が強く出たとのことです。テクニカルへの具体的な影響は後の章で確認していきましょう。
今後の予想利下げ幅の状況は、のちほどCMEのFedWatchツールで確認しようと思います。
注目経済指標&イベント
来週の注目経済指標を選定して掲載しました。来週は米雇用統計を始め多くの注目指標が予定されていますので、各々の
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|
9/30(月) | 26:55 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 | ー | |
10/1(火) | 23:00 | (米)9月ISM製造業景況指数 | 47.7 | |
23:00 | (米)8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 | 769.3万件 | ||
10/2(水) | 21:15 | (米)9月ADP雇用統計(前月比) | 12.0万人 | |
10/3(木) | 23:00 | (米)9月ISM非製造業景況指数(総合) | 51.5 | |
10/4(金) | 21:30 | (米)9月非農業部門雇用者数変化(前月比) | 13.0万人 | |
21:30 | (米)9月失業率 | 4.2% | ||
21:30 | (米)9月平均時給(前月比) | 0.3% | ||
21:30 | (米)9月平均時給(前年同月比) | 3.7% |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.75"ということで、直近では再び強い相関関係があるようです。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、市場参加者の次回11月FOMCでの利下げ予想は"100%"を維持しており、利下げ幅は0.25%と0.5%が拮抗していますが、0.5%がやや多い状況となっています!
なお、12月時点での米長期金利は、4.00〜4.25%と予想している参加者が"49.7%"となっています。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「140.7円〜145.5円」に設定、目線は円高としました。そして、直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が中期P&F水平Cシグナルの円安目標値「145.4-5円付近」、円高方向が短期・中期・長期P&Fのサポート「141.4円〜140.7円付近」を挙げていましたね。
結果としては、全般的には円安優勢の展開で金曜日の自民党総裁決定前には146.4円台まで円安になりましたので、目線は合っていましたね。また、中期P&F水平Cシグナルの円安目標値「145.4-5円付近」にも到達しましたので、トレードの方も240pipsほど利益が出ています。私の記事を見てP&Fを参考にトレードされた方は、おめでとうございます!
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより○枠の折り返し列が形成され、144.5円付近がレジスタンスになっています。シグナルについては現在も点灯中ですので、垂直カウンティングによる円高シグナルの目標値132円付近に向かって、円高が進んでいるとの見方は変わりません。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 144.5~9円 | 141.0~4円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、昨日金曜日に水平Cによる円安目標値145.4円に到達しました!参考にされた方は、おめでとうございます!そして、早くも○枠の折り返し列が形成されましたので、144.8円付近がレジスタンスになっています。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 144.8~9円 | 140.8~9円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
今週P&F0.1チャートは、週中に点灯した垂直Cによる円安シグナルの目標値146.4円に到達しました!参考にされた方は、おめでとうございます!そして、その直後でした。自民党総裁選で石破さんが勝利したことを受けて、一気に円高が進み、サポート143.3円付近を下抜けてきました。これにより円高シグナルが点灯したわけですが、こちらはすでに円高目標値142.1円に到達済みとなっていますので、シグナルはすでに消滅したとの認識です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 144.8円 | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | なし | ー | 144.5~9円 | 141.0~4円 |
中期P&F | なし | ー | 144.8~9円 | 140.8~9円 |
短期P&F | なし | ー | 144.8円 | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
今週は長期チャートで垂直Cによる円高シグナルが点灯中、中期チャートでは水平Cによる円安目標値に到達、短期チャートでは垂直Cによる円安目標値に到達、円高シグナル転換後の目標値にも到達済というややこしい状況となっています。
以上のことから、テクニカル的には長期的な円高トレンドの中での短中期的な横ばい展開が想定される状況と見ることができます。
よって、来週の予想レンジは「140.8円〜144.9円」とし、目線は円高とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期・中期・長期P&Fレジスタンス「144.5-9円付近」、円高方向が中期・長期P&Fのサポート「140.8円〜141.4円付近」です。
トレードに関しては、買いポジションは全て利確済みとなっております。来週は144円台後半まで戻りがあれば売りスタンスで臨みたいと思います。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
P&Fチャートを主軸テクニカルに採用した「FX指値1本勝負!」という記事を無料で公開しています。こちらは以前、noteやPostPrimeで読者のみなさんから大変好評いただいた企画を、P&Fチャートの有効性検証という形でリニューアルして再開したものです。もしよろしければ一度ごらんください。
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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