この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、ドル円を題材にしてFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを使う紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
8/5_米ISM非製造業総合指数7月は51.4、4年ぶり低水準から改善
米供給管理協会(ISM)が5日に発表した7月の非製造業総合指数(PMI)は51.4と、6月の48.8から上昇した。6月は2020年5月以来の低水準を付けていた。
ロイターがまとめた市場予想は51.0だった。同指数は50が製造業の活動の拡大・悪化の分岐点となる。
新規受注指数は52.4と、2022年12月以来の低水準だった前月の47.3から回復した。
雇用指数は51.1と、前月の46.1から上昇した。7月の非農業部門雇用者数の減少が労働市場の悪化の始まりを示唆するものではないとの見方を裏付ける可能性がある。
価格指数は57.0と、前月の56.3から上昇した。
ISM非製造業部門調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は、調査回答者は「事業活動が横ばいまたは徐々に拡大していることを、概ね肯定的に解釈している」と述べた。
ロイター
今週発表された7月のISM非製造業総合指数が市場予想を上回り、良内容であったことからドル買い円売りの巻き戻しが強まったようです。
ただ、現在も金融市場はFRBが12月までの会合で1%の利下げを実施するという見方が多いのようです。
注目経済指標&イベント
来週の注目経済指標を選定して掲載しました。来週の注目経済指標は卸売物価指数、消費者物価指数、小売売上高が挙げられます。また、今は米経済の行方に注目が集まっていますので、下表には載せていない経済指標でも結果によっては大きく変動する可能性がありそうですので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
8/13(火) | 21:30 | (米)7月卸売物価指数(PPI)(前月比) | 0.2% |
(米)7月卸売物価指数(PPI)(前年同月比) | 2.2% | ||
(米)7月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比) | 0.2% | ||
(米)7月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比) | 2.7% | ||
8/14(水) | 21:30 | (米)7月消費者物価指数(CPI)(前月比) | 0.2% |
(米)7月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 3.0% | ||
(米)7月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比) | 0.2% | ||
(米)7月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比) | 3.2% | ||
8/15(木) | 8:50 | (日)4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比) | 0.6% |
(日)4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(年率換算 | 2.3% | ||
21:30 | (米)7月小売売上高(前月比) | 0.4% | |
(米)7月小売売上高(除自動車)(前月比) | 0.1% |
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.50"ということで、やや相関関係にあるようです。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
最新の市場参加者のFRB利下げ予想時期は、CMEのFedWatch ツールによると、9月FOMCが"100%"を維持、0.5%の確率も"49%"に上昇しています。
なお、12月時点での米長期金利は、4.5〜4.75%と予想している参加者が66.4%から27.0%に低下し、4.25〜4.5%と予想している参加者が46.2%となっています。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「144.5円〜151.5円」に設定、目線は中立としました。そして、直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が日足200MA「151.5円付近」、円高方向が週足100MA「144.5円付近」を挙げていましたね。
結果としては、週明け早々に141.6円台まで円高が進展し、早速予想レンジを外れることとなりましたが、今週のNY終値は週足100MAを維持していますので、概ね予想通りの展開です。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより×枠の折り返し列が形成され、144.5円付近がサポートとなりました。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 161.5~9円 | 144.5~9円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより×枠の折り返し列が形成され、144.2円付近がサポートとなりました。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 157.2~3円 | 144.2~3円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
今週P&F0.1チャートは、今週の値動きにより折り返し列が形成され、144.2円付近がサポート、147.1円付近がレジスタンスとなりました。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 147.1円 | 144.2円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | なし | ー | 161.5~9円 | 144.5~9円 |
中期P&F | なし | ー | 157.2~3円 | 144.2~3円 |
短期P&F | なし | ー | 147.1円 | 144.2円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
現在、短期・中期・長期チャートのいずれもシグナルの点灯はありませんでしたね。ただ、徐々にレジサポ位置が更新されている状況でした。
よって、来週は予想レンジを「144.2円〜147.1円」、目線は中立とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期P&Fレジスタンス「147.1円付近」、円高方向が短期・中期P&Fサポート「144.2円付近」です。
トレードに関しては、次のシグナル点灯までは見送りとします。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略を立てられたでしょうか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
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FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
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「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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