この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、ドル円を題材にしてFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを使う紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握しましょう。
7/15_インフレ抑制、第2四半期に進展 「確信幾分強まる」=FRB議長
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、第2・四半期の毎月のインフレ指標は、物価上昇ペースがFRBの目標に持続可能な形で戻りつつあるという「確信をいくらか強める」ものだったと述べ、利下げ開始がそう遠くない可能性を示唆した。
パウエル氏はワシントン経済クラブ主催の会合で、インフレ抑制を巡り「第2・四半期にいくらか進展があった」とし、「過去3回のインフレ指標は改善しており、平均するとかなり良い状況にある」と述べた。
その上で「インフレ率が持続的に2%に戻るという確信が強まるまで、政策を緩和し始めるのは適切ではないとこれまでも述べてきた」と言及。「われわれはそうなるのを待っていた。第1・四半期には一段の確信は得られなかったが、先週のものを含め、第2・四半期の3回の指標である程度、確信が高まった」と語った。
このほか、米経済が大きな波乱に見舞われることはないと予想。経済のハードランディングシナリオは「最も可能性の高いものでも、ありそうなシナリオでもない」とした。
7月30─31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前のパウエル氏の発言機会は、これが最後となる見通し。
同FOMCで利下げが決定されるとの観測はほぼ皆無。市場では引き続き9月の会合に続き11月と12月にも利下げが決定され、政策金利は年末までに4.5─4.75%に引き下げられると予想されている。
ロイター
7/16_米6月小売売上高、前月から横ばい 減少の予想上回る
米商務省が16日発表した6月の小売売上高(季節調整済み)は前月比横ばいだった。ロイターがまとめた市場予想は0.3%減だった。
5月分は0.3%増と前回発表の0.1%増から上方改定された。6月の前年同月比は2.3%増だった。
6月の小売売上高は横ばいだったものの、基調は堅調のため、2024年第2・四半期の経済成長率見通しを押し上げる可能性がある。第1・四半期の経済成長率は1.4%。第2・四半期の予想は小売売上高が発表される前は約2%となっていた。
コメリカ・バンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「経済はかなり好調だ。低・中所得層が消費を手控えるなど、一部で軟調な兆しが見られるが、富裕層の積極的な消費が経済全体の前進を支えている」と述べた。
オンライン売上高は1.9%増加。5月は1.1%増だった。ガソリンスタンドは3.0%減。ガソリン価格の下落が響いた。
建築資材と園芸用品店は1.4%増。サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は5月の0.4%増に続き0.3%増となった。
ロイター
7/19_全国コアCPI、6月は+2.6% コアコアは11カ月ぶりに伸び拡大
総務省が19日に発表した6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.8で、前年同月比2.6%上昇した。政府の電気・ガス価格激変緩和対策の補助金が半減してエネルギー価格の上昇幅が拡大し、コアCPIの伸び率を押し上げた。
より基調的な動きを示す生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は2.2%上昇となり、昨年7月以来11カ月ぶりに前月の伸び率を上回った。ただ、エコノミストからは、日銀が目指す賃金と物価の好循環の強まりを示唆する内容ではないとの指摘が出ている。
ロイター
今週はパウエルFRB議長の発言や米小売売上高などが発表されましたね。各指標やイベントの結果は上記のロイター記事の通りですが、総じていうと「パウエル議長発言を受けて、9月利下げ観測が高まった。さらに11月と12月にも利下げが決定され、政策金利は年末までに4.5─4.75%に引き下げられると予想されている」くらいにまとめられそうです。
注目経済指標&イベント
来週の注目経済指標を選定して掲載しました。来週は個人消費支出(PCE)に注目です。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
7/24(水) | 23:00 | (米)6月新築住宅販売件数(年率換算件数) | 64.5万件 |
(米)6月新築住宅販売件数(前月比) | 4.2% | ||
7/25(木) | 21:30 | (米)4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率) | 1.9% |
7/26(金) | 21:30 | (米)6月個人所得(前月比) | 0.4% |
(米)6月個人消費支出(PCE)(前月比) | 0.3% | ||
(日)6月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比) | 2.5% | ||
(日)6月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比) | 0.2% | ||
(日)6月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比) | 2.5% |
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.05"ということで、相関性はあまり無いようです。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
最新の市場参加者のFRB利下げ予想時期は、CMEのFedWatch ツールによると、7月FOMCが"6.2%"から"4.7%"に低下、9月FOMCが"96.3%"から"97.1%"に上昇しました。前述のロイター記事にもあった通り、9月に利下げすると予想する参加者が急増していますね。
なお、12月時点での米長期金利は、4.5〜4.75%と予想している参加者が48.7%、4.75〜5.0%と予想している参加者が42.9%となっています。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「157.7円〜161.7円」に設定、長期目線は円安・短期目線は中立〜やや円安としました。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期・中期P&Fレジスタンス「161.6-7円付近」、円高方向が日足50MA「157.7円付近」としていましたね。
結果としては、予想レンジはハズレ。円高方向の注目ポイントに挙げていた日足50MAは火曜日まではサポートとして機能していたものの水曜日に下抜けると、日足100MA(155.3円台)まで急速に円高が進む展開となりました。
その後は、やや反発して今週のNY終値は157.4円付近で引けています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより○枠が3枠増えましたが、シグナルの点灯状況は変わりません。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安 | 165.0~4円 | 161.5~9円 | 155.0~4円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、7/11に円高目標値に到達後も円高が止まりませんでしたが、ようやく折り返し列が形成されました。現在は156.2円付近がサポートになったと考えられます。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 161.6~7円 | 156.2~3円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
今週P&F0.1チャートは、中期チャートと同様です。7/11に円高目標値に到達後も円高が止まりませんでしたが、ようやく折り返し列が形成されました。現在は156.2円付近がサポートになったと考えられます。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 161.6円 | 156.2円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | 円安 | 165.0~4円 | 161.5~9円 | 155.0~4円 |
中期P&F | なし | ー | 161.6~7円 | 156.2~3円 |
短期P&F | なし | ー | 161.6円 | 156.2円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
現在、長期チャートで円安シグナルが点灯している状況ですので、長期的な目線は円安のままです。短期チャートや中期チャートは、円高目標値に到達済みの状況でしたので、短期的な目線は横ばいで考えたいです。
よって、来週は予想レンジを「156.2円〜158.3円」とし、長期目線は円安・短期目線は中立とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期P&Fレジスタンス「158.3円付近」、円高方向が短期サポート「156.2円付近」です。
ただし、今のところ短期P&Fは垂直カウンティングによる円高シグナルが点灯していますので、「156.2円付近」を下抜けてしまいますと、長期P&Fサポート「155円付近」や円高目標値「154.6円付近」まで円高が進む可能性も想定したいです。
トレードに関しては、長期P&Fをトレード根拠とする買いポジションを158円台半ばから157円台後半まで構築済みです。現在、含み損を抱えていますが長期P&Fのシグナル転換までは保持します。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略を立てられたでしょうか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
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さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
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そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
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記録はノートでも何でも構いません。
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あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
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注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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