この記事では、個人トレーダーが生き残るのが難しいと言われるFXの世界で、18年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた私が、どのような分析・リスク管理・マインドのもとで相場と向き合い、トレードしているのかを紹介しています。
FXでなかなか利益を上げられないとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
週活FX流 トレード戦略構築STEP
私が続けている戦略構築は以下の6ステップだけ。これを続けるだけで誰でもトレードスキルを向上させることができますよ。具体的には次章で紹介します。
- 経済ニュース等から、取引通貨に関するトピックを収集します。
- 収集した情報が相場に与える影響をまとめてください。
- 見解が正しいかどうかは重要ではありません。まずは自分なりの見解・解釈をアウトプットすることが大事です。知識は後から付いてきます。
- (最初のみ)自分のトレードルールを定めましょう。
- ルールは売買基準・損切りと利確の位置設定基準・ポジション量管理方法を明確にすることが大切です。
- 前週のトレード戦略とトレード内容を振り返り、ルールの改善点を考察します。
- 利益が出た場合でも強欲になり過ぎていないかなど、
- ルール通りにトレードできなかったことがあれば、改善策を検討した方がよいかもしれません。
- 評価を繰り返していると自分のトレード癖が見えてくるはずです。
- 大きな損失に発展する潜在リスクに、事前に気づくことができれば完璧です。
- テクニカル分析に基づいて、直近数ヶ月間の大きな流れ(方向性)を捉えてみましょう。
- 自分なりの長期的な相場への見解をまとめます。
- 予想の当たりorはずれは、それほど重要ではありません。自分なりの見解をアウトプットすることが重要です。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近数週間の方向性を捉えてみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近1週間の方向性を予想してみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- 来週の具体的なトレード指針を立てましょう。指針は日々の値動きに合わせて微修正していきます。
- エントリー基準だけでなく、損切りと利確の位置・ポジション量を明確にします。
- トレード指針が立てれらない時は、無理にトレードする必要はありません。見送ることも大切です。
STEP1〜6を繰り返すことで自分のトレード癖が掴めるようになってきます。FXでは利益を上げることに目が向きがちですが、一番大切なのは大きな損失を出さないことです。もし大きな損失を出してしまったときには、何が問題だったのか必ず振り返りを行って改善策を検討しましょう。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握しましょう。
8/23_米総合PMI、8月は6カ月ぶり低水準
米S&Pグローバルが23日発表した8月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と2月以来、6カ月ぶりの低水準となった。今年7月は52だった。
米企業活動の大きな部分を構成しているサービス部門の新規受注が縮小したのが響いた。
景気拡大と縮小の節目である50を7カ月連続で上回ったが、製造業とサービス業の両方で需要が弱まったため50をわずかに上回る水準にとどまった。
ロイター
8/24_米新規失業保険申請は23万件に減少、予想下回る-3週ぶり低水準
米国では先週、失業保険の新規申請件数が減少し、3週ぶり低水準となった。労働者に対する需要がなお健全なことが示唆される。
今回の失業保険統計は、労働市場が強さを維持し、米経済に新たに生まれた勢いを支えていることを示している。雇用主はなお健全なペースで採用を続けており、今年大きく報道されたレイオフの波はペースを弱めつつあるようだ。
ブルームバーグ
8/25_パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、金融当局は必要に応じて追加利上げに動く用意があると指摘。またインフレ率が目標の2%に向けた軌道を進んでいると確信するまで、政策金利を高水準に維持する考えを示した。
議長は25日、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で講演。事前に配布された原稿によれば、「インフレ率はピークからは下がってきており、それは喜ばしい展開だが、なお高過ぎる」と指摘。「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレがわれわれの目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。
ブルームバーグ
今週は、米PMI(速報値)が半年ぶりの低水準となったことを受けて、米景気減速懸念が強まり、円が買われました。しかし、その後は米新規失業保険申請が市場予想を下回ったことやボストン連銀コリンズ総裁の発言等を受けて、ムードが反転。さらには昨夜のジャクソンホール会議でパウエル議長が「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある」と発言したことを受けて、円売り・ドル買いが一段と優勢となりました。
昨日の展開により来週の戦略は見直しを迫られそうですが、そちらは後ほどテクニカルで考えていくとして、来週発表予定の経済指標を確認しておきましょう。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント |
---|---|---|
8/29(火) | 23:00 | 7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 |
8/30(水) | 21:15 | 8月ADP雇用統計(前月比) |
21:30 | 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値) | |
8/31(木) | 21:30 | 7月個人消費支出(PCEデフレーター) |
21:30 | 前週分失業保険継続受給者数 | |
9/1(金) | 21:30 | 8月非農業部門雇用者数変化(前月比) |
21:30 | 8月失業率 | |
21:30 | 8月平均時給(前月比) | |
23:00 | 8月ISM製造業景況指数 |
来週は米雇用統計を筆頭に多くの経済指標が発表されますので、結果は必ずチェックするようにしましょう。
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利上げペース等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
さて、ここまでで今週の日米の経済指標の概況は把握できましたね。次章では、日米金利差との相関状況を確認していきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は、"-0.40"となっていますので、やや逆相関の関係にあるようです。
現在も市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日米金利差とドル円の関係性に関する報道を鵜呑みにせず、定期的にチャートをチェックして客観的に評価していきましょう。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「141.7円〜146.4円」に設定したうえで、長期予想に基づいた買いポジションは保持。新規トレードについては、短中期的な横ばいの展開の中でレジサポ位置が明確になった際に検討することとしていました。
結果としては、8/23の展開により一時144.5円台まで円高が進みましたが、その後は円売り優勢の展開となり、金曜日のNY終値は146.3円台と予想レンジの上限はほぼ的中となりました。
トレードに関しては8/23日の展開を受けて、短期と中期のP&Fにて円高シグナルが点灯したため、戻り売りスタンスをとっておりますが、以降の円安展開により含み損を抱えている状況です。なお、長期予想に基づいた買いポジションは保持したままです。
さて、次章ではテクニカル面から来週の相場の行方を予想していきましょう。
なお、具体的なトレード戦略は日々の値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。
相場の方向性「円安」
上記の画像はP&F0.5チャート(1枠:50銭)です。私の場合、長期相場予想にP&F0.5を主に使用しています。
P&F0.5チャートは、今週の値動きによる変化点はありません。現在P&F0.5チャートは円安シグナル点灯中で、円安目標値は列数のカウント方法にもよりますが"149円付近"との認識です。
以上のことから、週初時点における長期相場目線は「円安」のままにしようと思います。
シグナル点灯状況(目線) | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安(水平) | 149.0円 | ー | 139.5円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
相場の方向性「円高」
上記の画像はP&F0.2チャート(1枠:20銭)です。私の場合、中期相場予想にはP&F0.2を主に使用しています。
P&F0.2チャートは8/23の値動きにより円高シグナルが点灯しておりましたが、その後は円安展開が続き、現在はレジスタンス水準146.2円の枠まで×印が付いている状態です。よって、現時点ではシグナル転換までは至っていないもののギリギリの攻防が続いている認識です。この先、レジスタンス水準146.2円の枠を上抜けてきた場合には、円安シグナルが転換しますので、今回の円高シグナルはダマシと考える必要がありそうです。
現時点では円高シグナル点灯中ですので、週初時点における中期相場目線は「円高」にしようと思います。
シグナル点灯状況(目線) | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円高 | 143.0円 | 146.2-3円 | 145.0円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
相場の方向性「円高」
さて、中期的な相場予想まで立てることができたら、最後に短期相場予想を行いましょう。
上記の画像は、P&F0.1チャート(1枠:10銭)です。短期相場予想にはP&F0.1チャートを使用しています。
P&F0.1チャートは8/23の値動きにより円高シグナルが点灯しておりましたが、その後は円安展開が続き、現在はレジスタンス水準146.2円の枠を1枠のみですが上抜けている状態です。よって、単純に考えますと円高シグナルはダマシで円安シグナルへ転換したと捉えることができます。
ただ、1枠10銭ということを考えると1枠の違いは誤差と捉えることもできます。そして、前々回の高値枠が146.3円であり、これも誤差だと考えれば、まだ上抜けていないと考えることもできるでしょう。
この辺りは、かなり判断に迷うところではありますが、本記事では単純に円安シグナル点灯と捉えていこうと思います。
以上のことから、週初時点における短期相場目線は「円安」にしようと思います。
シグナル点灯状況(目線) | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安 | 147.7円 | ー | 144.9円 |
- 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の考え方を決めておくのがおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
現在、短期・長期チャートは水平カウンティングによる円安シグナルが点灯中ですが、中期チャートだけは円高シグナル点灯中という状況です。現在、この先の見方がかなり難しい状況ですが、146.2~3円付近を完全に上抜けることができるかに注目する必要がありそうです。
チャート | シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | 円安(水平) | 149.0円 | ー | 139.5円 |
中期P&F | 円高(水平) | 143.0円 | 146.2~3円 | 145.0円 |
短期P&F | 円安(水平) | 147.7円 | ー | 144.9円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
ここまでの情報を踏まえて、来週のトレード戦略を考えていきましょう。私の場合、具体的なトレード戦略構築には、ここまで紹介してきたP&Fの他、トレンド系から「移動平均線」「ボリンジャーバンド」、オシレーター系から「MACD」「RSI」を総合的に見て判断しています。
まずはおさらいですが、現在のP&Fは短期と長期チャートで水平Cによる円安シグナルが、中期チャートは水平Cによる円高シグナルが点灯している状況でしたね。そのため長期的には円安目線を維持しつつも、短中期的な見方はかなり難しく、判断に迷う状況です。ただポイントとしては中期チャートの146.2-3円付近のレジスタンス枠を完全に上抜けてくるかが挙げられますので、まずはその点に注目したいです。
トレードに関しては、短期チャートに基づく売りポジションはすでに逆指値にかかっていますので、現在売りポジションは中期チャートに基づくポジションのみを保有している状況です。長期予想に基づく買いポジションを少量保持しています。
よって、来週は予想レンジを「144.9円〜147.7円」に設定したうえで、長期予想に基づいた買いポジション、中期予想に基づいた売りポジションは両建てで保持。新規トレードについては、短期チャートに基づく買いトレードを行いたいと思います。私の場合は、迷った時はシグナル通りに淡々取引することとしています。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略はしっかりと立てられたでしょうか?P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいてもっとP&Fを勉強したいと思っていただけた方は、以下の記事で詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
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