この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
9/11_米CPI、8月は2.5%に鈍化 基調インフレに依然粘着性
米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年比2.5%上昇した。前月の2.9%から鈍化し、2021年2月以来の小幅な伸びとなった。ただ、基調インフレにはなお粘着性が見られ、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイント利下げは正当化されない可能性がある。
CPIは、前月比では0.2%上昇。上昇幅は前月と変わらなかった。
ロイター調査によるエコノミスト予想は前年2.6%上昇、前月比0.2%上昇だった。
ネイションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅費やサービスコストへの長引く圧力が再び高まる中、インフレ正常化への道は8月に障害にぶつかった」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)当局者はくすぶる物価上昇モメンタムへの慎重姿勢を維持しており、来週は0.25%ポイントの小幅な利下げにとどまるだろう」と述べた。
JPモルガン・ウェルスマネジメントの投資戦略責任者、エリース・オーゼンボー氏は「利下げサイクルは積極的なものではなく、緩やかなものになるとの見通しを市場は受け入れなければならない」とした。
ロイター
9/12_米8月PPI、前月比+0.2%で予想上回る 前年比+1.7%で伸び鈍化
米労働省が12日発表した8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)0.2%上昇した。サービス価格の上昇を背景に、伸びは市場予想(0.1%)を上回ったものの、インフレ鎮静化と一致する内容となった。
7月分は当初の0.1%上昇から、横ばいに下方改定された。
前年比は1.7%上昇と、前月の2.1%から伸びは鈍化した。市場予想は1.8%上昇だった。
労働市場の安定とインフレ率の高止まりを背景に、連邦準備理事会(FRB)は17─18日に行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和サイクルを開始するとみられるが、50ベーシスポイント(bp)の大幅利下げの観測はさらに後退した。
CMEのフェドウオッチによると、金融市場は次回のFOMCで50bpの大幅利下げが行われる確率を約13%、25bpの利下げ幅については約87%との見方を織り込んでいる。
サービスの価格は前月比0.4%上昇し、7月の0.3%下落からプラスに転じた。ホテルなどの宿泊料金が4.8%上昇したことに押し上げられた。外来診療費が0.2%上昇した一方、入院医療費は横ばいだった。
一方、航空運賃は0.8%下落した。
ポートフォリオ管理手数料は横ばい。卸売業者や小売業者が受け取るマージン(利ざや)の尺度である貿易サービスは0.6%上昇し、消費者の値上げに対する抵抗感が強いにもかかわらず、企業が依然として価格決定力を持っていることを示唆した。
モノの価格は横ばい。7月は0.6%上昇していた。
エネルギーは0.9%下落。一方、食品は0.1%上昇した。
食品とエネルギー、貿易サービス部門を除いたコア指数は前月比0.3%上昇し、伸びは7月と並んだ。前年比では3.3%上昇し、前月の3.2%上昇から小幅加速した。
消費者物価指数(CPI)とPPIのデータからエコノミストが推定する8月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、0.14─0.18%上昇の範囲となった。
コアインフレ率は7月の前年比2.6%上昇に続き、8月も2.7%上昇すると予想される。低水準を推移した昨年分が計算から除外されることが背景にある。
JPモルガンのエコノミスト、マイケル・ハンソン氏は「FRB当局者が過去に言及した6カ月間の年率換算は7月の2.6%から2.3%に低下するにとどまるものの、3カ月間の年率換算は2%を下回ると予想される」と述べた。
ロイター
今週は米CPIとPPIが発表されましたね。結果としては来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイント利下げは正当化されないとの見方が大勢のようです。
現在の予想利下げ幅の状況は、のちほどCMEのFedWatchツールで確認しようと思います。
注目経済指標&イベント
来週の注目経済指標を選定して掲載しました。来週は、いよいよFOMCですね。利下げは確実視されていますので、利下げ幅に注目です。また、その他にも日銀金融政策決定会合が予定されていますので、あわせて注目です。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
9/17(火) | 21:30 | (米)8月小売売上高(前月比) | -0.2% |
21:30 | (米)8月小売売上高(除自動車)(前月比) | 0.2% | |
9/18(水) | 27:00 | (米)米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表 | 5.00-5.25% |
27:30 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見 | ー | |
9/20(金) | 8:30 | (日)8月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 3.0% |
8:30 | (日)8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比) | 2.8% | |
8:30 | (日)8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比) | 2.0% | |
ー | (日)日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表 | 2.5% |
また、今は投資家の注目が米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.83"ということで、強い相関関係があるようです。チャート形状的にはそうは見えないんですけどね・・・
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
ちなみに、日米金利差は昨年10月ごろの初旬のピーク時に比べて、だいぶ低下してきましたね。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、最新の市場参加者のFRB利下げ予想時期は9月FOMCが"100%"を維持しており、利下げ幅は0.25%と0.5%が同率"50%"となっています!
なお、12月時点での米長期金利は、4.00〜4.25%と予想している参加者が"41.3%"となっています。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「139.8円〜146.9円」に設定、目線は円高としました。そして、直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期・中期P&Fレジスタンス「146.8-9円付近」、円高方向が中期P&F円高目標値「139.8-9円付近」を挙げていましたね。
結果としては、円高目線は正解。米CPI,PPI発表前後では上下動しましたが、全般的に円買い優勢の展開となり、今週NY終値では140.7円台で引けています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより○枠が3枠増えました。垂直カウンティングによる円高シグナルの目標値132円付近に向かって、順調に円高が進んでいる状況です。とはいえ、現在位置からではまだまだ遠すぎて目標値到達を想定しづらい状況には変わりませんけどね・・・今後の動向に注目です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 146.5~9円 | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、週中に折り返し列が形成され、さらに直近安値を下抜けてきましたので、従来の水平Cによる円高シグナルに加えて、垂直Cによる円高シグナルも点灯しています。垂直Cによる円高目標値は138.6円付近です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円高 | 139.8~9円 | 143.0~1円 | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
今週P&F0.1チャートは、週中に折り返し列が形成され、さらに直近安値を下抜けてきましたので、垂直Cによる円高シグナルが点灯しています。垂直Cによる円高目標値は138.6円付近です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 143.1円 | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | なし | ー | 146.5~9円 | ー |
中期P&F | 円高 | 139.8~9円 | 143.0~1円 | ー |
短期P&F | なし | ー | 143.1円 | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
今週は長期チャートで垂直Cによる円高シグナルが点灯中、中期チャートでは水平Cと垂直Cによる円高シグナルが点灯中、そして、短期チャートでも垂直Cによる円高シグナルが点灯中となっています。このことから急激に円高方向に軌道修正されている可能性がありそうです。
よって、来週の予想レンジは「138.6円〜143.1円」とし、目線は円高とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が短期・中期P&Fレジスタンス「143.0-1円付近」、円高方向が短期・中期P&F垂直Cシグナルの円高目標値「138.6円付近」です。
トレードに関しては、中期チャートのシグナルに従って、144円付近で売りポジションを構築済みとなっています。状況によっては142円台まで戻りがあれば売り増ししようと思います。実際に売りましするかは日々の記事にて紹介しますので、ぜひ平日もご覧いただけるとうれしいです。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
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さいごに
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