この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、ドル円を題材にしてFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを使う紹介しています。
FXで利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握しましょう。
6/28_米PCE価格指数、5月前年比+2.6%に鈍化 利下げ観測強まる
米商務省が28日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇し、前月の2.7%から鈍化した。前月比では変わらず。4月は0.3%上昇で改定されなかった。
ロイター調査によるエコノミスト予想は前月比変わらず、前年比2.6%上昇だった。
<利下げ観測高まる>
前月比で横ばいとなったのは6カ月ぶり。BMOキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は、「FRBにとって極めて望ましい結果となり、9月利下げの軌道から外れない」と指摘。「コアインフレの減速は、経済をソフトランディング(軟着陸)の軌道に乗せるためにまさに必要なものだった」とし、長期にわたり金利が高止まりしても緩やかな経済成長が維持されるという信頼感が高まるとの見方を示した。
INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「インフレが落ち着きを見せているという主張を後押しし、年内利下げの道が開かれる可能性が十分にある」と述べた。
PCE価格指数の伸び鈍化を受け、連邦準備理事会(FRB)が9月までに利下げを決定し、12月に追加利下げを実施するとの観測が高まった。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む9月までの利下げの確率は約68%と、64%から上昇した。 もっと見る
<コア指数、前月比0.1%上昇>
モノの価格は0.4%下落。昨年11月以降で最大の下落率となった。娯楽用品、自動車、家具、耐久消費財の価格が大きく下落した。
ガソリンやその他のエネルギー製品の価格は3.4%下落。衣料品・靴の価格も下落した。
サービス価格は0.2%上昇。住宅費、公共料金、医療費が上昇した一方、5カ月連続で上昇していた金融サービス・保険は0.3%下落した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前月比は0.1%上昇と、昨年11月以降で最小の伸びとなった。4月は0.2%上昇から0.3%上昇に上方改定された。
コア指数は前年比2.6%上昇で、2021年3月以来の小幅な伸び。4月は2.8%上昇だった。
FRB当局者が「スーパーコア」として注目する住宅・エネルギーを除くPCEサービス上昇率は0.1%上昇。4月は0.3%上昇だった。
個人消費支出は前月比0.2%増、4月は0.1%増だった。
サービスへの支出は0.3%増。医療、住宅、航空輸送のほか、公共料金への支出が伸びた。4月は0.4%増加していた。
モノ(財)への支出は0.2%増。処方薬、娯楽用品、車両、衣類などへの支出が増加し、4月の0.5%減から反転した。
個人所得は0.5%増。4月は0.3%増だった。賃金は0.7%上昇した。
インフレと税金を考慮した後の家計所得は0.5%増。貯蓄率は4月の3.7%から3.9%に上昇した。
インフレ調整後の消費支出は0.3%増。4月は0.1%減だった。
ロイター
今週は米5月個人消費支出(PCE)価格指数が発表されましたね。経済の詳細な分析は専門家に任せてかまいません。一般的な個人投資家であればPCE価格指数の伸び鈍化を受け、連邦準備理事会(FRB)が9月までに利下げを決定し、12月に追加利下げを実施するとの観測が高まったことくらいを把握していれば十分かなと思います。
さて、来週は米雇用統計をはじめ多くの注目度の高い指標が発表されます。月の中で一番忙しい週になっていますので、私たち個人投資家も各指標の結果には注目です。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
7/1(月) | 23:00 | (米)6月ISM製造業景況指数 | 49.2 |
7/2(火) | 22:30 | (米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 | ー |
23:00 | (米)5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 | 786.4万件 | |
7/3(水) | 21:15 | (米)6月ADP雇用統計(前月比) | 15.8万人 |
23:00 | (米)6月ISM非製造業景況指数(総合) | 52.5 | |
27:00 | (米)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 | ー | |
7/5(金) | 21:30 | (米)6月非農業部門雇用者数変化(前月比) | 18.8万人 |
21:30 | (米)6月失業率 | 4.0% | |
21:30 | (米)6月平均時給(前月比) | 0.3% | |
21:30 | (米)6月平均時給(前年同月比) | 3.9% |
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.44"ということで、やや逆相関関係にあるようです。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、日々の報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
FRB利下げ予想時期
最新の市場参加者のFRB利下げ時期は、CMEのFedWatch ツールによると、7月FOMCが"10.3%"から"10.3%"で変わらず、9月FOMCが"65.9%"から"64.1%"に若干低下しているものの、ほぼ変わっていないですね。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「156.8円〜160.2円」に設定、長期目線は円安・短期目線は中立としました。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が為替介入前の高値「160.2円付近」、円高方向が中期P&F前回円安目標値「158.6-7円付近」と短期P&Fサポート「156.8円付近」をあげていましたね。
結果としては、目立った押し目もない円売り優勢の展開となりました。6/26水曜日には為替介入前の高値「160.2円付近」を上抜けると一段と円売りが優勢となり、一時は161.2円台まで円安となりました。今週の終値でも160.8円付近という状況です。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、円安シグナルが点灯中の状況で×枠が2枠増えています。今のところ、円安目標値「165.0-4円付近」を目指す展開になっています。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安 | 165.0~4円 | ー | 155.0~4円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは6/20に円安目標値に到達しておりますが、折り返し列の形成もないまま、円安の流れが継続しています。現在は次回シグナル点灯待ちの状況であり、テクニカル的には行き過ぎとの認識です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | ー | 155.0~1円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
今週P&F0.1チャートは、6/14に円安目標値に到達しておりますが、折り返し列の形成もないまま、円安の流れが継続しています。現在は次回シグナル点灯待ちの状況であり、テクニカル的には行き過ぎとの認識です。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | ー | 156.8円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | 円安 | 165.0~4円 | ー | 155.0~4円 |
中期P&F | なし | ー | ー | 155.0~1円 |
短期P&F | なし | ー | ー | 156.8円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
それでは、来週のトレード戦略を考えていきましょう。現在、長期チャートで円安シグナルが点灯している状況でしたので、長期的な目線は円安です。ただ短期チャートや中期チャートは、円安目標値に到達済みにもかかわらず行き過ぎている状況でしたので、短期的な目線は横ばいで考えたいです。
よって、来週は予想レンジを「156.8円〜160.2円」とし、長期目線は円安・短期目線は中立とします。直近の具体的な注目ポイントは、円安方向が為替介入前の高値「160.2円付近」、円高方向が中期P&F前回円安目標値「158.6-7円付近」と短期P&Fサポート「156.8円付近」です。
トレードに関しては、現在のところノーポジション。158円台半ばから157円台後半まで大きく押し目がくれば買いポジションを構築しようと思っています。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略を立てられたでしょうか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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さいごに
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以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
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注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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