この記事では、2004年から20年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私の分析方法・リスク管理・マインドを紹介しています。
FXでなかなか利益を上げられないとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
週活FX流 トレード戦略構築STEP
私が続けている戦略構築は以下の6ステップだけ。これを続けるだけで誰でもトレードスキルを向上させることができますよ。具体的には次章で紹介します。
- 経済ニュース等から、取引通貨に関するトピックを収集します。
- 収集した情報が相場に与える影響をまとめてください。
- 見解が正しいかどうかは重要ではありません。まずは自分なりの見解・解釈をアウトプットすることが大事です。知識は後から付いてきます。
- (最初のみ)自分のトレードルールを定めましょう。
- ルールは売買基準・損切りと利確の位置設定基準・ポジション量管理方法を明確にすることが大切です。
- 前週のトレード戦略とトレード内容を振り返り、ルールの改善点を考察します。
- 利益が出た場合でも強欲になり過ぎていないかなど、
- ルール通りにトレードできなかったことがあれば、改善策を検討した方がよいかもしれません。
- 評価を繰り返していると自分のトレード癖が見えてくるはずです。
- 大きな損失に発展する潜在リスクに、事前に気づくことができれば完璧です。
- テクニカル分析に基づいて、直近数ヶ月間の大きな流れ(方向性)を捉えてみましょう。
- 自分なりの長期的な相場への見解をまとめます。
- 予想の当たりorはずれは、それほど重要ではありません。自分なりの見解をアウトプットすることが重要です。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近数週間の方向性を捉えてみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近1週間の方向性を予想してみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- 来週の具体的なトレード指針を立てましょう。指針は日々の値動きに合わせて微修正していきます。
- エントリー基準だけでなく、損切りと利確の位置・ポジション量を明確にします。
- トレード指針が立てれらない時は、無理にトレードする必要はありません。見送ることも大切です。
STEP1〜6を繰り返すことで自分のトレード癖が掴めるようになってきます。FXでは利益を上げることに目が向きがちですが、一番大切なのは大きな損失を出さないことです。もし大きな損失を出してしまったときには、何が問題だったのか必ず振り返りを行って改善策を検討しましょう。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握しましょう。
5/14_米4月PPI、前月比0.5%上昇と予想以上に加速 インフレ高止まり示唆
米労働省が14日発表した4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)0.5%上昇で、市場予想以上に加速した。サービスと財の価格が大幅に上昇し、第2・四半期に入り、インフレが高止まりしていることを示した。
ロイターがまとめた市場予想は0.3%上昇。3月は0.2%上昇から0.1%下落に下方改定された。
前年比では2.2%上昇で市場予想と一致した。3月は1.8%上昇だった。
PPI発表後、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げする確率は発表前の64%から60%に低下した。
ロイター
5/15_米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期待高まる
米労働省が15日発表した4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化した。インフレ率が第2・四半期初に再び低下傾向に転じたことが示唆され、市場では9月の米利下げ期待が高まった。
前月比の伸びも0.3%と2月および3月の0.4%から鈍化した。
ロイターによるエコノミスト調査では、前月比0.4%上昇、前年比3.4%上昇と予想されていた。
前月比では、家賃を含む住居費が3カ月連続で0.4%上昇した。ガソリン価格は2.8%上昇。3月は1.7%上昇だった。両者の伸びで全体の伸びの7割超を占めた。
食品は横ばい。3月は0.1%上昇だった。
帰属家賃(OER)は0.4%上昇と、2月および3月の伸びと変わらずだった。自動車保険は1.8%上昇。3月は2.6%上昇だった。
パーソナルケア製品、娯楽、教育も上昇。医療費も0.4%上昇した。一方、中古車・トラックは1.4%下落。家庭用家具や新車、航空運賃も下落した。
サービスは0.4%上昇。3月は0.5%上昇だった。家賃を除くベースでは0.2%上昇となり、3月の0.8%上昇から伸びが鈍化した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPI上昇率は0.3%、3月は0.4%だった。前年比では3.6%で3月の3.8%から鈍化、2021年4月以来の小幅な上昇率だった。
エコノミストは、CPIと卸売物価指数(PPI)のデータから、4月のコア個人消費支出(PCE)価格指数が前月比0.2%上昇したと推定している。3月は0.3%上昇だった。4月の前年比は2.7%上昇になったとみられる。3月は2.8%上昇だった。
CPIの伸び鈍化を受け、金融市場では9月の米利下げ確率が発表前の69%から約73%に上昇した。
バイデン大統領は、物価はまだ高すぎるとしながらも、200万戸の住宅建設や大手製薬会社との提携による処方せん薬価の引き下げを含む自身の政策が「家計にゆとりを与えるだろう」との見解を示した。
一方、大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領の陣営は、インフレの原因はバイデン政権の政策にあるとし、トランプ氏が掲げる「アメリカ・ファースト」の柱として低税率・低価格・高賃金を標ぼうした。
ロイター
5/15_米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支出にしわ寄せ
米商務省が15日発表した4月の小売売上高(季節調整済み)は予想外に横ばいとなった。ガソリン価格の高騰で他の商品への支出が減り、消費の勢いが鈍化していることが示唆された。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.4%増だった。前年比では3.0%増加した。3月分は0.6%増(速報値0.7%増)に下方修正された。
自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.3%減。3月分は1.0%増と、速報値の1.1%増からやや下方改定された。
需要が鈍化している上、4月が横ばいだった背景には、 米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabの春のプロモーションが3月の売上高を押し上げた反動もある。
オンライン売上高は4月に1.2%減少した。3月は2.5%急増していた。
サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.2%増加した。
ロイター
今週は米消費者物価指数や卸売物価指数など注目度の高い指標が発表されましたね。
その中でも注目度の高かった米消費者物価指数が市場予想を下回ったことで、米長期金利が低下して円買い優勢となりましたが、その後は戻りを試す展開となっています。
なお、最新の市場参加者のFRB利下げ時期は、CMEのFedWatch ツールによると、7月FOMCが"29.6%"、9月FOMCが"6 4.8%"と先週から後退しているようですのでインプットしておきましょう。
さて、来週は今週ほどの注目指標はありませんが、5/23(木)に米4月新築住宅販売件数と5/24(金)に4月全国消費者物価指数卸売物価指数が発表されますので、結果には注目しておきましょう。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
5/23(木) | 23:00 | (米)4月新築住宅販売件数(年率換算件数) | 67.5万件 |
23:00 | (米)4月新築住宅販売件数(前月比) | -2.6% | |
5/24(金) | 8:30 | (日)4月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 2.4% |
8:30 | (日)4月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比) | 2.2% | |
8:30 | (日)4月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比) | 2.4% |
経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
さて、これで今週発表された日米経済指標の概況は把握できましたね。次章では、日米金利差との相関状況を確認していきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は、"-0.74"ということで、逆相関の関係にあるようです。たしかに直近では日米金利差が低下(縮小)しているにもかかわらず、ドル円は上昇(円安)展開となっていますね。
現在、市場の注目は米長期金利の行方に集まっていますが、報道を鵜呑みにせず、自分でも定期的にチャートをチェックして客観的に評価していくようにしましょう。
以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「153.0円〜157.7円」に設定し、目線は中立としました。また、円安方向への戻りの継続性に注目としていましたね。具体的にはフィボナッチ50.0%付近を上抜けるようですと次は61.8%の157円付近が目処のひとつになるかもしれないと指摘していました。
結果としては、週初は前週からの流れを汲んで、一時156.7円台まで円安となりましたが、米CPI発表後は円買い優勢となり153.6円台まで円高になりました。その後は反発してNY終値は155.6円付近での推移となっています。
相場を俯瞰して大きく捉えれば、横ばいの展開と見ることができますので、私たちの予想通りの展開ですね。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から私の場合は、長期「1枠50銭」、中期「1枠20銭」、短期「1枠:10銭」を採用しています。
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより×枠が1枠増えましたが、今のところはシグナル点灯待ちの状況に変わりありません。
以上のことから、週初時点における長期相場目線は「中立」とします。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 158.0~4円 | 153.0~4円 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより複数の折り返し列が記録され、レジサポ位置が更新されましたが、今のところはシグナル点灯待ちの状況に変わりありません。現在レジスタンスは"156.2円付近"、サポートは"155.0円付近"となっています。
以上のことから、週初時点における中期相場目線は「中立」とします。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 156.2~3円 | 155.0~1円 |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
さて、中期的な相場予想まで立てることができたら、最後に短期相場予想を行いましょう。
P&F0.1チャートは、今週の値動きにより複数の折り返し列が記録され、レジサポ位置が更新されましたが、今のところはシグナル点灯待ちの状況に変わりありません。現在レジスタンスは"156.3円付近"、サポートは"155.0円付近"となっています。
以上のことから、週初時点における短期相場目線は「中立」とします。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
なし | ー | 156.3円 | 155.0円 |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | なし | ー | 158.0~4円 | 153.0~4円 |
中期P&F | なし | ー | 156.2~3円 | 155.0~1円 |
短期P&F | なし | ー | 156.3円 | 155.0円 |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
それでは、来週のトレード戦略を考えていきましょう。私の場合、前述のP&Fを主軸にトレンド系から「移動平均線」「ボリンジャーバンド」、オシレーター系から「MACD」「RSI」を加えて、総合的に判断しています。
現在、P&Fは短期・中期・長期のすべてのチャートにおいて、次回シグナル点灯待ちの状況でしたね。ただ、私たちの予想通りレジサポの間隔がだいぶ狭くなってきましたので、近いうちにシグナルの点灯がありそうな雰囲気です。
よって、来週は予想レンジを「155.0円〜156.3円」とし、目線は中立とします。ただ、私たちの予想通りレジサポの間隔がだいぶ狭くなってきましたので、近いうちにシグナルが点灯しそうな雰囲気です。
トレードに関しては、シグナル点灯まで我慢です。もうしばらく守りの時期ですね。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略を立てられたでしょうか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
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大きな流れに逆らうときは控えめに
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抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
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つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
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以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
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そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
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記録はノートでも何でも構いません。
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注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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