本記事では国内FXトレーダーの人気No1ペアのドル円を対象に、P&F(ポイントアンドフィギュア)チャートを主軸テクニカルとした活用例を紹介しています。
本記事を継続してご覧いただくことで、実トレード場面でのテクニカル活用方法を習得していただけます。また、本記事を通して習得したテクニカル活用方法は、他の通貨ペアや株価指数などにも応用できますので無限の可能性を秘めていますよ。
FXでなかなか勝てないとお悩みの方は、もちろんのこと、ドル円相場に関心のある方も特定のテクニカルをじっくりと学ぶことで、着実にスキルアップできますので、私と一緒に朝活FXしてみませんか?
本日の相場概況把握「ファンダメンタル編」
まずは日本経済新聞のニュースを確認して、注目トピックを中心にファンダメンタル観点で押さえていきましょう。
現在の注目トピック |
---|
・次回9月FOMCは利上げ?据え置き? ・日銀金融政策方針(正常化への一歩?) ・米地銀金融システム不安(備忘録) |
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が25日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の講演で「必要ならば、追加利上げの用意がある」と述べた。米長期金利が上昇した場面で円売り・ドル買いが勢いづいた。円は一時1ドル=146円64銭と昨年11月上旬以来、およそ9カ月ぶりの安値を付けた。
議長は米景気が減速していない兆候があるかに注意を払っているとし、米経済の想定以上の堅調が続く場合には「さらなる引き締めが正当化される可能性がある」と述べた。債券市場では長期金利が一時、前日比0.05%高い(債券価格は安い)4.28%に上昇した。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも一時5.09%と7月上旬以来の高水準を付けた。日米金利差の拡大を受けて円が売られた。
ただ、この日の安値を付けた後、円は下げ渋る場面があった。パウエル議長は今後の利上げを「慎重に判断する」とも述べた。従来の議長の発言や前週公表の7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の参加者の見解に沿った内容との受け止めもあった。米長期金利が前日終値水準に戻し、円を下支えた。
日本経済新聞 為替概況より
先週金曜日、パウエル議長がジャクソンホール会議の講演で「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある」と発言したことを受けて、円売りドル買いが進んだとの見方のようですね。
具体的な値動きとトレード戦略への影響は、週末に解説した通りですが、本記事でも後ほどテクニカルで見ていきましょう。
※月曜日の記事更新は、週末記事との差が乏しいことから、お休みさせていただく予定です。
今週の注目経済指標・イベント
さて、今週は多くの注目経済指標が発表されます。内容次第では大きく動く可能性があるので注目しておきましょう。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント |
---|---|---|
8/29(火) | 23:00 | 7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 |
8/30(水) | 21:15 | 8月ADP雇用統計(前月比) |
21:30 | 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値) | |
8/31(木) | 21:30 | 7月個人消費支出(PCEデフレーター) |
21:30 | 前週分失業保険継続受給者数 | |
9/1(金) | 21:30 | 8月非農業部門雇用者数変化(前月比) |
21:30 | 8月失業率 | |
21:30 | 8月平均時給(前月比) | |
23:00 | 8月ISM製造業景況指数 |
ファンダメンタル観点での情報収集は、市場参加者の注目トピックや大きな流れを把握するため、とても重要なことだと思っています。ただ、プロの投資家であっても未来を予想することは出来ません。
ですから、私は初心者の方が過剰に情報収集してしまうと、逆に混乱を招きかねないと考えています。
市場には情報が溢れかえっており、事実と憶測が混在して報じられますので、きちんと区別して理解するように心がけながら、無理のない範囲で情報収集を続けていくことが大切だと私は考えています。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利
米長期金利は、NY市場クローズ時点で前日比変わらずの”4.24%”となりました。
米長期金利は、そのチャート形状から上昇トレンドを維持して入るとの見方に変わりありません。引き続き今後の展開に注目です。
それでは、次章よりドル円の今後の具体的な戦略をテクニカル面から検討していきましょう。
本日の相場分析「テクニカル編」
ここでは複数のP&Fチャートを活用したトレード戦略構築例を紹介していきますね。
相場分析は長期→中期→短期と未来側から現在側に向かって順に進めていくことをおすすめします。仕事や子育て等と同じ感覚ですね。
前日のトレード戦略
前日のトレード戦略の内容は、こちらの記事をご覧ください。
前日は、長期チャートは水平カウンティングによる円安シグナルが点灯中、短中期チャートは円高シグナルが点灯したことから、長期的には円安目線を維持しつつも、短中期的には円高優勢の展開を挟むことを想定していました。
ただ、146.2-3円付近にレジスタンス候補があるため、ここを上抜けてきた場合には短中期ともに円安目線に方針変更することとしていました。
結果としては、前項で確認した通り円売り優勢の展開となりましたが、NY終値は146.4円付近となんとも微妙な水準。。。146.3円付近のレジスタンスを上抜けたのか?判断に難しいのが現状です。
なお、短期チャートをトレード根拠にした売りポジションは逆指値にかかり損切りとなりました。
私は、週末に1週間の戦略を立てるようにしています。これは日々の戦略がブレないようにするためです。日々の戦略は、週末に立てた戦略をもとに解説していますので、よろしければ週末の戦略記事も併せてご覧ください。
さて、次項では前日の値動きを反映したP&Fチャートの状況から、本日の戦略を考えていきましょう。
長期相場予想
長期相場予想には、1枠:50銭のチャート(以降、P&F0.5)を使用しています。
P&F0.5チャートは、前日の値動きによる変化点はありません。現在は円安シグナル点灯中で、円安目標値は列数のカウント方法にもよりますが"149円付近"との認識です。
現在円安シグナル点灯中ですので、長期的観点では円安の展開を想定したいです。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安(水平) | 149.0~4円 | ー | 139.5~9円 |
中期相場予想
中期相場予想には、1枠:20銭のチャート(以降、P&F0.2)を使用しています。
P&F0.2チャートは前日の値動きにより×印の枠が2枠増えました。ただ、現時点ではシグナル転換までは至っておらず、ギリギリの攻防が続いている認識です。よって、円高シグナルは点灯中のままとなり、目標値は143.0円付近です。
この先、レジスタンス水準146.2円の枠を上抜けてきた場合には、円安シグナルが転換しますので、今回の円高シグナルはダマシと考える必要がありそうです。
中期的観点での相場展開は円高展開の想定を維持したいです。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円高 | 143.0円 | 146.2~3円 | 145.0円 |
短期相場予想
短期相場予想には、1枠:10銭のチャート(以降、P&F0.1)を使用しています。
P&F0.1チャートも前日の値動きにより×印が5枠増えました。これにより、レジスタンス水準146.2円の枠を1枠のみですが上抜けている状態です。よって、単純に考えれば円高シグナルはダマシで円安シグナルへ転換したと捉えることができます。
ただ、1枠10銭ということを考えると1枠の違いは誤差と捉えることもできます。そして、前々回の高値枠が146.3円であり、これも含めて誤差だと考えれば、まだ上抜けていないと考えることもできるでしょう。
この辺りは、かなり判断に迷うところではありますが、本記事では単純に円安シグナル点灯と捉えていこうと思います。
以上のことから、短期的観点では円安展開の想定を維持したいです。
シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|
円安 | 147.7円 | ー | 144.9円 |
本日のP&Fまとめ
現在、短期・長期チャートは水平カウンティングによる円安シグナルが点灯中、中期チャートは円高シグナルが点灯中と方向性が分かれている状況です。
このことから、現在は長期的な円安トレンドの中での中期的な円高トレンドが発生しており、さらに短期的には円安トレンドが発生していると見ることができます。
現時点でのP&Fの分析結果は下表の通りですので、状況はしっかりと押さえておきたいです。
チャート | シグナル点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
長期P&F | 円安(水平) | 149.0~4円 | ー | 139.5~9円 |
中期P&F | 円高(水平) | 143円 | 146.2~3円 | 145.0円 |
短期P&F | 円安(水平) | 147.7円 | ー | 144.9円 |
本日のトレード戦略構築
ここまでのP&F分析で大きな目線(方向性)が定まりましたので、本日の具体的なトレード戦略を考えていきましょう。
私の場合、当日の戦略構築には移動平均線「50MA:赤,100MA:橙,200MA:水色」・MACD・BBを補助的に組み合わせて使用しています。
まず、前述のとおり主軸テクニカルのP&F分析により、短期・長期チャートは円安シグナルが点灯中、中期チャートは円高シグナルが点灯中と分かれている状況です。また、146.3円付近のレジスタンスを越えたかの判断が難しいので、無理にトレードしない選択肢もありかと思います。
この辺りは唯一の正解というものはないと考えていますが、本記事では、それぞれチャート毎のシグナルに従ってトレードする戦略を取りたいと思います。
本日、146.2-3円付近のレジスタンス候補を完全に上抜けた場合には中期チャートも円安目線に方針変更しようと思います。
よって、現在保有中のポジションは中期の売りポジションと長期の買いポジションとなり、一時的に両建て状態としています。
注:上記のトレード方針は、あくまで個人的な見解です。
【復活!】P&FでFXスイングトレード指値一本勝負!
P&FでFXスイングトレード指値一本勝負!の記事は、以下に移行しております。
(補足)P&Fチャートって何?
P&Fチャートって何?
日本ではあまり知られていない「P&F(ポイントアンドフィギュア)」ですが、実は機関投資家の間ではメジャーなテクニカルなんです。
P&Fは非時系列チャートというカテゴリに分類されるテクニカル指標です。移動平均線、MACD、RSIなどのメジャーなテクニカルは値動きがなくてもチャートが変化していきますよね?それに対して非時系列チャートは相場の値動きがなければ、時間が経過しても形状が変化しないチャートのことです。
つまり、忙しい会社員の方でも主婦の方でも子育て中のママでも、相場の値動きがなければチャートを何度もチェックする必要はなく、少しの時間でテクニカル分析できるということです。さらにP&Fでは、利益確定や損切り位置が明確に定まるので、 初心者の方でも扱いやすい点が最大のメリットと私は考えています。
もしよろしければ、この機会にP&Fチャートを勉強してみませんか?
P&Fチャートはエクセルなどでも誰でも簡単に作成することが可能ですよ。また、上級者の方であればマクロを組むことも可能です。
ただ「自分で毎日更新するのは大変そうだな」という方は、私のPostPrimeを購読してみませんか?
私のPostPrimeでは8通貨ペア,14種類のP&Fチャート情報を平日毎朝公開しています。こちらは有料(月額500円)にはなってしまいますが、もしよろしければ購読を検討ください。
もし購読いただける場合は、PCから登録されることをおすすめします。モバイルの場合、apple社・google社の手数料が上乗せされてしまうので、ご注意ください。
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくのがおすすめです。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。
(補足)記事の趣旨
私は、個人トレーダーが生き残るのが難しいと言われるFX相場で17年間戦ってきましたが、これまで退場することなく続けられているのは、相場と毎日向き合い続けているからだと思っています。
この記事では、そんな私がどのような分析・リスク管理・マインドのもとで相場と向き合い、トレードしているのかを出来るだけ分かりやすくお伝えしたいと思っています。
FX初心者のみなさんが、この記事を通してトレード技術を学び、自身のトレードに活かしていただければ幸いです。
【こんな人に読んでほしい&期待される効果】
※最近FXを始めてみたけど損ばかり
・エントリーポイントの開示
→有利な位置で取引する感覚を体得
・損切りポイントの開示
→損切りに対する抵抗感を減少
※FXに興味はあるが、時間をかけられない
・平日朝の記事更新
→サラリーマンや主婦の方でも大丈夫
※副業で収入を増やし、生活にゆとりが欲しい
・適切なポジション量の開示
→予想精度よりも、ポジション量の調整が大事
チャンス到来時にはレバレッジを掛けて勝負
→トレードの繰返しで着実にスキルアップ
【お願い事項】
<その1>
日本人の資産を守りたいとの思いから長期的に利益を出せるように誠心誠意分析していますが、利益を保証・確約するようなものではありません。また、読者の方に本記事の指針に従った取引を推奨する意図もありません。最終的な投資判断は、ご自身でお願いします。
<その2>
記事を気に入っていただいた方は、PostPrimeのスキ&フォロー&拡散をお願いします!記事継続の励みになります!
<その3>
📬質問箱を用意しました
感想や質問、記事リクエストなどありましたら、どしどしお待ちしております。私が答えられる内容であれば、優先的に取り上げさせていただきます。
それでは本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。また明日もお会いしましょう。
コメント