この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、実トレードに臨む際の考え方などを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
今週は米政府機関一部閉鎖の影響で、消費者物価指数(CPI)などの主要経済指標が発表されませんでした。ただ、ようやく連邦政府再開に向けた「つなぎ予算案」が成立したので、来週以降は徐々に発表されていきそうですね。
来週の主な注目経済指標&イベント
| 日付 | 時間 | 経済指標・イベント |
|---|---|---|
| 11/19(水) | 28:00 | (米)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
| 11/20(木) | 22:30 | (米)9月非農業部門雇用者数変化(前月比) |
| 22:30 | (米)9月失業率 | |
| 22:30 | (米)9月平均時給(前月比) | |
| 22:30 | (米)9月平均時給(前年同月比) | |
| 11/21(金) | 22:30 | (日)10月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比) |
| 22:30 | (日)10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比) | |
| 22:30 | (日)10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比) |
上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、経済指標や経済イベントを重視したい方は、FX会社や証券会社のサイトで情報を入手しておきましょう。私は外為どっとコムのサイトを愛用しています。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利チャート
米長期金利のNY市場終値は、前週末比+0.06%の”4.15%”です。前回安値の4.00%付近でサポートからの反発は一服し、横ばいの展開に移行していると思っていたのですが、再び上昇してきましたね。米政府機関閉鎖が続いていることにより、先行きの見通しがつきにくくなっていることが一因かもしれません。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"0.77"と、強い相関関係がある状況のようです。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、次回12月のFOMCでは0.25%の利下げ予想が44.4%と先週の66.9%から下げる結果となっています。据え置きとの見方が最有力のようです。また、1月のFOMCでの連続利下げ予想は16.7%と先週の28.2%から下げる結果となっています。


以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができました。今週のファンダメンタル要素が現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「152.2円〜154.3円」に設定、週明け時点の目線は円安とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。
| レート | 根拠 |
|---|---|
| 156.0-4 | 長期P&F円安目標値 |
| 154.2-3 | 中期P&Fレジスタンス |
| 154.1 | 短期P&Fレジスタンス |
| レート | 根拠 |
|---|---|
| 153.0-4 | 長期P&F前回レジスタンス |
| 153.1 | 短期P&Fサポート |
| 152.8-9 | 中期P&F前回レジスタンス |
| 152.8 | 短期P&F前回レジスタンス |
| 152.8 | 短期P&F円高目標値(ほぼ到達済) |
| 152.2-3 | 中期P&Fサポート |
| 150.0-4 | 長期P&Fサポート |
トレード戦略評価
結果としては、全般的に円売り優勢の展開で、短期・中期チャートのレジスタンスを上抜けて推移しています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のドル円のボラティリティー状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。ただ、短期チャートは最近のボラティリティーには、若干合っていない状況が続いています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより×枠が1枠増えましたが、チャートの見方は変わりません。現在、水平Cと垂直Cによる円安シグナルが点灯している状況です。
先日、チャートの感度を上げるために4時間足にしましたが、裏目に出てしまっているので、今回のシグナルが消滅したら日足に戻そうと思います。
| シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
|---|---|---|---|---|
| 水平 | 円安 | 156.0-4 | ー | 150.0-4 |
| 垂直 | 円安 | 156.0-4 |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより154.2-3円付近のレジスタンスを上抜けましたが、現在も次回シグナルの点灯待ちとなっています。
| シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
|---|---|---|---|---|
| 水平 | なし | ー | ー | 152.2-3 |
| 垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートも、今週の値動きにより154.1円付近のレジスタンスを上抜けましたので、現在円安シグナルが点灯中となっています。
| シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
|---|---|---|---|---|
| 水平 | 円安 | 155.3 | ー | 153.1 |
| 垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
| チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
|---|---|---|---|---|---|
| 長期P&F | 水平 | 円安 | 156.0-4 | ー | 150.0-4 |
| 垂直 | 円安 | 156.0-4 | |||
| 中期P&F | 水平 | なし | ー | ー | 153.2-3 |
| 垂直 | なし | ー | |||
| 短期P&F | 水平 | 円安 | 155.3 | ー | 153.1 |
| 垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
週初時点では、長期チャートと短期チャートで円安シグナルが点灯していますので、来週の目線は円安にしようと思います。
週明け時点の具体的な注目レートは下表の通りです。
| レート | 根拠 |
|---|---|
| 156.0-4 | 長期P&F円安目標値 |
| 155.3 | 短期P&F円安目標値 |
| レート | 根拠 |
|---|---|
| 154.2-3 | 中期P&F前回レジスタンス |
| 154.1 | 短期P&F前回レジスタンス |
| 153.0-4 | 長期P&F前回レジスタンス |
| 153.2-3 | 中期P&Fサポート |
| 153.1 | 短期P&Fサポート |
| 150.0-4 | 長期P&Fサポート |
なお、トレード検証に関しては、長期チャートと短期チャートの円安シグナルを根拠にした買いポジションを保持している状況です。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
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さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
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最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
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あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。

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