この記事では、2004年から21年間一度も退場することなく勝ち抜いてきた兼業トレーダーである私が、"ドル円"を題材にP&FチャートによるFXの分析方法やリスク管理、マインドなどを紹介しています。
FXで中長期的に利益を出すにはどうしたらいいのかとお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
それでは、今週も週末にしっかりと振り返りをしてトレードスキルを向上させましょう。
- P&Fを主軸としたテクニカル分析を通して、損切りと利確の基準が分かるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
私が実践している戦略構築ステップは、こちらの記事で紹介していますので、初めての方はぜひ一度ご覧ください。

STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握します。
今週の注目経済指標&イベント結果
4/16_米3月小売売上高1.4%増、約2年ぶり大幅増 関税前の駆け込み需要

米商務省が16日発表した3月の小売売上高(季節調整済み)は前月比1.4%増となった。自動車を中心に関税引き上げ前の駆け込み需要が寄与し、2023年1月以来の大幅な伸びとなった。ただ不確実性が高まる中で消費が抑制され、小売売上高は近く失速する可能性がある。
前月は0.2%増で改定されなかった。ロイター調査によるエコノミスト予想は1.3%増だった。3月は前年比では4.6%増加した。
コアの小売売上高(自動車、ガソリン、建築資材、食品サービス除く)は前月比0.4%増。2月は1.3%増と前回発表の1.0%増から上方修正された。エコノミスト予想は0.6%増だった。
INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「第1・四半期はマイナス成長を回避できる可能性が高いが、経済成長率はかろうじてゼロ%を上回る程度にとどまると予想している。消費者信頼感が圧力にさらされているときに関税の影響が実感されるようになるため、第2・四半期に大きな反発は望めない」と述べた。
ロイター
4/18_全国コアCPI、3月は+3.2%に加速 米関税で下方リスクの声

総務省が18日発表した3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は前年比3.2%上昇だった。伸びは前月の3.0%から加速し、4カ月連続で3%台。生鮮食品を除く食料の伸び率がさらに拡大した。コアCPIについて、市場では当面は3%付近での推移が続くものの、参院選前の物価高対策の可能性や米国の高関税政策に伴う世界経済の悪化で下方リスクが出てきているとの声が聞かれる。
コア指数の伸び率は事前予想の3.2%と一致した。
生鮮を除く食料は6.2%上昇し、前月の伸び率(5.6%)を上回った。8カ月連続で伸びが拡大。コメの価格高騰が続き、コメ類は92.1%上昇して1971年1月以降で最大の伸び率を更新した。うるち米(コシヒカリを除く)も92.5%上昇で、76年1月以降で最大の伸び率を更新。このほか、人件費や物流費の上昇で3月に価格改定されたハンバーガー(外食)は5.7%上昇、鳥インフルエンザの影響で鶏卵は5.6%上昇となった。
ロイター
今週は3月の米小売売上高や国内の全国消費者物価指数が発表されましたが、今はトランプ大統領の関税政策の動向に市場の注目が集まっていることから、市場への影響は限定的だったようです。
注目経済指標&イベント
来週は米3月新築住宅販売件数の発表が予定されています。トランプ関税発動前の結果ではあるものの、駆け込み需要の有無などどのような結果になるのかに注目です。
日付 | 時間 | 経済指標・イベント | 予想 |
---|---|---|---|
4/23(水) | 21:30 | (米)3月新築住宅販売件数(年率換算件数) | 68.0万件 |
21:30 | (米)3月新築住宅販売件数(前月比) | 0.6% |
また、今は投資家の注目がトランプ政策実行後の米経済の行方に集まっています。上の表には載せていない経済指標でも結果次第では大きく変動する可能性がありますので、以下のようなサイトで情報を入手しておきましょう。

経済メディアではインフレの落ち着く時期やFRB利下げ転換時期等について、経済学者などの著名人がもっともらしい見解を述べています。しかし、こうした経済のプロフェッショナルでさえ、未来がどうなるのかは誰にも分かりません。
こうした著名人の発言を鵜呑みにして、トレードを実行してしまう方が多いのですが、私はおすすめしません。
少し極端な表現ですが、投資の世界で最終的に信じられるのは自分だけです。この世界で長く生き残るためには、自分で相場の動向をいち早く察知して、その流れに付いていくことしかないと思っています。そして、そのためにはテクニカル分析と適度な情報収集を継続的に行う必要があります。
テクニカル分析の方法については、このブログで定期的にお伝えしていきますので、共感いただける方は、ぜひ一緒にやっていきましょう。
本日の相場概況把握「米長期金利編」
本題のドル円に入る前に、米長期金利の概況を押さえていきましょう。
米長期金利チャート
米長期金利のNY市場終値は前週末比-0.17%の”4.33%”です。先週の上昇トレンドは一服し、やや押し戻される結果となりました。トランプ関税の影響もあり、この先の展開が読みづらい状況ですので、相場が落ち着くのを待ちたいと思います。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に、参考程度ですが日米長期金利差とドル円の相関性を見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
直近20日間の日米金利差とドル円のCC(相関係数)は"-0.31"で、やや逆相関の関係にある状況のようです。
FRB利下げ予想時期
CMEのFedWatchツールによると、先週確認した際には5月FOMCでの利下げ予想が4割近くまで増えていましたが、今週は再び1割まで低下しており、次回の利下げは6月FOMCとの見方が6割程度とやや優勢になっています。


以上で、ファンダメンタル観点での状況把握ができました。今週のファンダメンタル要素が現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするための"資産"が欲しいのであって、"経済のプロ"になりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後は、テクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りです。
今週は予想レンジを「142.0円〜146.5円」に設定、週明け時点の目線は横ばい方向(レンジ形成)とし、具体的な注目ポイントとしては、下表の通りとしていましたね。
レート | 根拠 |
---|---|
151.0-4円 | 長期P&Fレジスタンス |
147.6-7円 | 中期P&Fレジスタンス |
147.7円 | 短期P&Fレジスタンス |
146.4-5円 | 中期P&F前回サポート |
146.3円 | 短期P&F前回サポート |
レート | 根拠 |
---|---|
142.0円 | 直近最円高レート |
ただ、P&F上の明確なサポートラインがないことから、ずるずると円高が進むことも想定したいとしていました。
結果としては、円買い優勢の展開が継続し、一時141.6円台まで円高になる場面がありましたが、NY終値基準では142円台をほぼ維持している状況です。
トレードに関してはノートレード。次回シグナル点灯待ちの状況となっています。
なお、日々の具体的なトレード戦略は値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略は当ブログで毎日公開していますので、よろしければ毎朝ご覧ください。
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を主軸テクニカルに使用しています。現在のボラリティ状況から、長期は「1枠50銭」、中期は「1枠20銭」、短期は「1枠:10銭」を採用しています。
それでは長期チャートから順番に見ていきましょう。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
P&F0.5チャートは、今週の値動きにより◯枠が増えていますが、チャートの見方は変わらず。次回シグナルの点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 151.0-4円 | ー |
垂直 | なし | ー |
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
P&F0.2チャートは、今週の値動きにより◯枠が増えていますが、チャートの見方は変わらず。次回シグナルの点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 147.6-7円 | ー |
垂直 | なし | ー |
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
P&F0.1チャートは、今週の値動きにより円高シグナルが点灯したものの、すでに目標値到達となっていましたので、現在は次回シグナルの点灯待ちの状況です。
シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|
水平 | なし | ー | 147.7円 | 141.9円 |
垂直 | なし | ー |
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくことをおすすめします。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。 - 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、それぞれのテクニカル分析結果の方向が分かれた際の方針を決めておくとトレードが安定するのでおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性の分かれ具合に応じて取引量を調整することにしています。
週初時点のP&Fまとめ
チャート | シグナル | 点灯状況 | 目標値 | レジスタンス | サポート |
---|---|---|---|---|---|
長期P&F | 水平 | なし | ー | 151.0-4円 | ー |
垂直 | なし | ー | |||
中期P&F | 水平 | なし | ー | 147.6-7円 | ー |
垂直 | なし | ー | |||
短期P&F | 水平 | なし | ー | 147.7円 | 141.9円 |
垂直 | なし | ー |
STEP6:トレード方針の決定
来週のトレード方針
今週はどのチャートもシグナルが点灯していませんので、週明け時点の目線は横ばい方向(レンジ形成)にしたいと思います。現在明確なサポートラインがないことから、ずるずると円高が進むことも想定したいです。
週明け時点の具体的な注目レートは下表の通りです。
レート | 根拠 |
---|---|
151.0-4円 | 長期P&Fレジスタンス |
147.6-7円 | 中期P&Fレジスタンス |
147.7円 | 短期P&Fレジスタンス |
146.4-5円 | 中期P&F前回サポート |
146.3円 | 短期P&F前回サポート |
145.1円 | 短期P&F前回円高目標値 |
144.0-1円 | 中期P&F前回円高目標値 |
レート | 根拠 |
---|---|
141.9円 | 短期P&Fサポート |
141.6円 | 直近最円高レート |
具体的なトレードに関しては、シグナル点灯までは余計なことはせずに見送りします。
以上、私の来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でしたが、みなさんも来週のトレード戦略を立てられましたか?
P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。ここまでご覧いただいて「もっとP&Fを勉強したい」と思っていただけた方は、以下の記事でP&Fチャートの詳細を解説していますので、よろしければご覧ください。
お知らせ
FX指値1本勝負!
P&Fチャートを主軸テクニカルに採用した「FX指値1本勝負!」という記事を無料で公開しています。こちらは以前、noteやPostPrimeで読者のみなさんから大変好評いただいた企画を、P&Fチャートの有効性検証という形でリニューアルして再開したものです。もしよろしければ一度ごらんください。

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まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。

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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、ブログとPostPrimeでFXや株式指数のトレード戦略情報を発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のトレード戦略情報を読んでいただければ、いきなり大損して即退場に追い込まれるようなリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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