私は、個人トレーダーが生き残るのが難しいと言われるFX相場で17年間戦ってきました。リーマンショックやギリシャ金融危機、コロナなど様々な局面を退場することなく乗り越えられてきたのは、毎日相場と向き合い続けているからだと思っています。
この記事では、そんな私がどのような分析・リスク管理・マインドのもとで相場と向き合い、トレードしているのかを出来るだけ分かりやすくお伝えしていきます。
今週、FXで利益を出せた方も損をしてしまった方も、週末に振り返りをしてトレードスキルを着実に向上させましょう。
- 損切り位置が明確にわかるようになる。
- FXとちょうどいい距離感で生活できるようになる。
- FXで成功している人の相場との向き合い方を知ることができる。
週活FX流 トレード戦略構築STEP
私が続けている戦略構築は以下の6ステップだけ。これを続けるだけで誰でもトレードスキルを向上させることができますよ。具体的には次章で紹介します。
- 経済ニュース等を斜め読みして、取引通貨に関するトピックを収集します。
- 収集した情報が相場に与える影響をまとめてください。
- 正確性は重要ではありません。自分なりの見解・解釈をアウトプットすることが重要です。
- (最初のみ)自分のトレードルールを定めましょう。
- ルールは売買基準・損切りと利確の位置設定基準・ポジション量管理方法を明確にすることが大切です。
- 前週のトレード戦略とトレード内容を振り返り、ルールの改善点を考察します。
- 利益が出た場合でも強欲になり過ぎていないかなど、
- ルール通りにトレードできなかったことがあれば、改善策を検討した方がよいかもしれません。
- 評価を繰り返していると自分のトレード癖が見えてくるはずです。
- 大きな損失に発展する潜在リスクに、事前に気づくことができれば完璧です。
- テクニカル分析に基づいて、直近数ヶ月間の大きな流れ(方向性)を捉えてみましょう。
- 自分なりの長期的な相場への見解をまとめます。
- 予想の当たりorはずれは、それほど重要ではありません。自分なりの見解をアウトプットすることが重要です。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近数週間の方向性を捉えてみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- テクニカル分析に基づいて、直近1週間の方向性を予想してみましょう。
- 使用するテクニカルは問いません。ご自分の考えに合致するテクニカルを選定しましょう。
- 来週の具体的なトレード指針を立てましょう。
- エントリー基準だけでなく、損切りと利確の位置・ポジション量を明確にします。
- トレード指針が立てれらない時は、無理にトレードする必要はありません。見送ることも大切です。
STEP1〜6を繰り返すことで自分のトレード癖が掴めるようになってきます。FXでは利益を上げることに目が向きがちですが、一番大切なのは大きな損失を出さないことです。もし大きな損失を出してしまったときには、何が問題だったのか改善策を必ず検討しましょう。
STEP1:ファンダメンタル観点での分析
それでは、ドル円の「週間相場予想&トレード戦略構築」を一緒にやっていきましょう。
STEP1は、ファンダメンタル関連の情報をチェックして、マーケット状況や投資家の注目トピックなどを把握しましょう。
11/1_10月米ISM製造業景気指数「約2年半ぶりの低水準も"50"はキープ」
米供給管理協会(ISM)が1日発表した10月の製造業総合指数(NMI)は50.2となり、2020年5月以来、約2年半ぶりの低水準となった。9月の50.9から低下した。
投入価格指数が7カ月連続で低下した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げにより財(モノ)の需要が冷え込んだ。
50を超える数値は、米経済の11.9%を占める製造業の拡大を示している。ロイターがまとめたエコノミスト予想では、50.0に低下すると見込まれていた。
11/2_10月ADP雇用統計「サービス業好調 市場予想を上回る」
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が2日発表した全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は10月に23万9000人増加した。予想以上の増加で労働市場の強さが改めて示された。米連邦準備理事会(FRB)は積極的な利上げをしばらく続ける可能性がある。
11/2_FOMC政策金利発表
FRBは2日のFOMCで市場予想通り、4会合連続で0.75%の利上げを決めた。声明では「金融政策の累積的な引き締め効果、金融政策が経済活動やインフレに影響を与える際のラグ(遅れ)を検証する」との文言を入れ、いったん利上げペースを緩める可能性を示唆した。パウエル議長が会見序盤に利上げ幅縮小が「早ければ次の会合か、その次の会合でありうる」と述べると円は145円68銭まで上昇する場面があった。
議長会見が進むにつれ円は上げ幅を縮小した。労働市場の強さやインフレ高止まりなどを理由に議長が「最終的な金利水準は従来予想より高くなるだろう」と述べ、早期の利上げ停止も否定した。「FRBの(ハト派方向の)政策転換への市場の期待を打ち砕いた」(TD証券のマゼン・イッサ氏)との声があった。
FOMCを受けての市場の見解については、各社から様々な記事が公開されておりますので、いくつか目を通しておきましょう。
11/3_10月米ISM非製造業景況指数
米供給管理協会(ISM)が発表した10月の非製造業総合景況指数は市場予想以上に低下し、2020年5月以来の低水準となった。受注と業況の指数が鈍り、経済が引き続き低調なことを示唆した。
11/4_米雇用統計「失業率は3.7%に上昇、12月以降の利上げ幅縮小が可能なことを示唆」
米労働省が4日発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったが失業率は3.7%に上昇、労働市場の緩みを示した。連邦準備理事会(FRB)による12月以降の利上げ幅縮小が可能なことを示唆する内容となった。
今週はFOMC政策金利発表や雇用統計など大きな米経済ニュースが目白押しとなりました。マネックス証券の記事にもありますが、今回のFOMCを受けて今後のFOMCの市場見通しにも以下の通りに変化が起きているようです。
- 12月会合での利上げ予想は0.5%が有力
- 最終到達金利の予想は5.08%と先週の4.85%から上昇
- 2023年末の金利見通しも4.8%と先週の4.5%から上昇
先日からお知らせしている通り、今後の状況次第では、円売り一辺倒だったここ半年の流れが収まって、いったん落ち着きをみせる展開になるかもしれませんので、今後の推移をチェックしていきましょう。
日米長期金利差とドル円の相関性
次に日米長期金利差とドル円の相関性に変化があったのかを見ていきます。以下のチャートをご覧ください。
相関係数のチャートを見る限り、日米金利差とドル円の相関関係はないように見えます。ただ最近は、米長期金利の行方に関するニュースを見ない日はないくらい注目が集まっていますね。ドル円のトレードを行うのであれば、日米金利差は引き続きチェックしておきましょう。
以上でファンダメンタル観点での状況把握はできましたね。今週のファンダメンタル要素が、現在のドル円相場にどのような影響を及ぼしているのか。その辺りは、次章からのテクニカル分析を通してみてみましょう。
FXで利益を上げたいなら、投資先の経済や政治に関する情勢を理解することが重要。経済ニュース等から情報収集し、自分なりの解釈を記録していきましょう。「円売りが当面続く」といった簡単な記録でも構いません。
ただ、経済情報は無数にありますので、収集しすぎれば良いというものでもなく、長期間継続することが大事ですので、ご自身の負担にならない程度に続けてみてください。
私たち個人投資家は、生活を豊かにするためのお金が欲しいのであって、経済のプロになりたいわけではないという方が大半かと思いますので、大まかな状況が分かれば十分です。
STEP2:今週の相場予想とトレード戦略の評価
さて、ファンダメンタル観点で状況を押さえた後はテクニカル観点で相場を捉えていきましょう。
まずは、今週の相場予想とトレード戦略を振り返りたいと思います。
今週は予想レンジを「144.3円〜152.0円」に設定。日足50MAと10月21日の最高値152.0円間で円安・円高双方の見方が交錯して横ばいの展開になることをメインシナリオとしていました。
結果としては、前述の通りFOMCや経済指標結果の強弱に左右されながら、予想通りの横ばいの展開となりました。また、11/2には一時145.6円まで円買いが進みましたので、買い増しも順調に進められている状況です。
さて、買いポジションを抱えている状況で今後どのように判断・対応していくのか。週末に最新のチャート状況をチェックして変化点を掴み、来週に備えましょう。
次章ではテクニカル面から来週の相場の行方を予想していきましょう。
なお、具体的なトレード戦略は日々の値動きに合わせて調整を行っています。日々のトレード戦略はnoteにて公開していますので、よろしければご覧ください。
STEP3:テクニカル観点での長期トレンド分析
では、来週のドル円相場予想とトレード戦略を考えていきましょう。私の場合は、"P&F(ポイント&フィギュア)"を中長期相場予想の主軸テクニカルに使用しています。
相場の方向性「中立〜やや円安」
上記の画像はP&F0.5チャートです。私の場合、長期相場予想にはP&F0.5を主に使用しています。
現在のP&F0.5チャートは、新たなシグナル点灯はありません。垂直カウンティングによる155円の円安目標が出ている状況です。なお、水平カウンティングの円安目標149円は到達済みで、次回シグナル待ちです。
次にチャートの状況詳細を見ていきましょう。今週は比較的大きめの横ばいの展開になったことから、列数が増えていますね。円高方向は146.5円がサポートになっており、そこを下抜けると円高シグナルが点灯することになりますので、要注目です。円安方向は、日銀の介入を警戒してか切り下げ傾向となっておりますが、148.5円を超えてくると再び円安が加速する可能性がありそうです。
以上のことから、長期相場目線は「中立〜やや円安」にしようと思います。
- テクニカル分析は、長期から短期の順に進めていくのがおすすめです。
- 短期トレンドに対しては順張りでも、長期トレンドに対しては逆張りという場面が多々あります。
短期・中期・長期の全てが同じトレンドであった場合は強気、逆行している場合には弱気とするなど、
状況に合わせてポジション量をコントロールすることが大切です。
STEP4:テクニカル観点での中期トレンド分析
相場の方向性「中立」
上記の画像はP&F0.2チャートです。私の場合、中期相場予想にはP&F0.2を主に使用しています。
現在のP&F0.2チャートは、新たなシグナル点灯はありません。先日の水平カウンティングによる円高目標到達後の横ばいの展開が続いています。今週は「目標到達後の横ばいの展開が続くことをメインシナリオにしたい」と言っていましたが、まさにその通りの展開となっています。
次にチャートの状況詳細を見ていきましょう。今週は比較的大きめの横ばいの展開になったことから、列数が増えていますね。円高方向は146.4円がサポートになっており、そこを下抜けると円高シグナルが点灯することになりますので、要注目です。円安方向は、日銀の介入を警戒してか切り下げ傾向となっておりますが、148.6円を超えてくると再び円安が加速する可能性がありそうです。
従って現在は目標到達後の横ばいの展開が続くことをメインシナリオにしたいです。ただし、為替介入により無理やり作られたレートであることは考慮する必要があります。
以上のことから、中期相場目線としては「中立」にしようと思います。
STEP5:テクニカル観点での短期トレンド分析
相場の方向性「中立」
さて、中期的な相場予想まで立てることができたら、最後に短期相場予想を行いましょう。
上記の画像は、移動平均線&ボリンジャーバンドのチャートです。私の場合、短期相場予想には移動平均線(50,100,200)&ボリンジャーバンド(21)にMACDとRSIを組み合わせて、具体的なトレード水準を考えています。
今週は大きな変化点はありませんが、MACDのデッドクロスが継続している影響もあり、円売り優勢の展開が一旦落ち着いています。ただ、日足50MA,100MAも下に従えている状況には変わりなく。完全な弱気相場に突入したとも言い難い状況です。
以上のことから、短期相場目線としては「中立」にしようと思います。
- 複数のテクニカル指標を用いて分析する場合、方向性が分かれた際の考え方を決めておくのがおすすめです。
私の場合、トレードは主軸とするテクニカルに従うこととし、方向性が分かれ具合に応じて取引量を調整するようにしています。
STEP6:トレード方針決定
来週のトレード方針
来週の予想レンジは「145.3円〜152.0円」に設定。145.3円は日足50MA、152.0円は10月21日の最高値付近(円安)が設定理由です。来週は、MACDのデッドクロス状態が続いていますので、まずは円高方向のサポートに注目。具体的にはP&Fチャートのサポートライン「146円台半ば」、その先は日足50MAに注目です。
トレードについては押し目買いは中止。買いポジションは保持したまま、前述のサポートラインを割り込むまでは様子見します。
以上、来週のドル円相場予想&トレード戦略構築でした。
みなさんも来週のトレード戦略立てられたでしょうか。P&Fチャートは初心者の方でも利確位置や損切り位置が明確に決めることができるので、個人的にはとてもおすすめのチャートです。
私のPostprimeのプライム投稿では、平日毎朝8通貨ペア13種類のP&Fチャート情報を公開しています。2週間であれば無料で購読可能ですので、もしよろしければご覧ください。
- PostPrimeで毎日公開しているP&Fチャートからドル円を公開している公開裁量トレードを行うなら毎日チャートの変化をチェックすることは欠かせません。私のPostPrimeでは各種通貨ペアのP&Fチャートにて毎日公開しています。P&Fをご自身のテクニカル分析に取り入れてみたい方は、よろしければ購読ください。2週間は無料で購読可能です。
- そもそもP&Fチャートって何?というからは、こちらの解説記事をご覧ください。
「FXなんてどの会社でも同じでしょ。」そんなふうに思っていませんか?
私の経験上、FXで安定した成績をあげるにはFX会社選びは超重要です。私はFX会社を変えた途端に成績が悪化した経験が何度もあります。
FX歴17年の私が現在裁量FXで使用しているFX会社は「外貨ex by GMO」です。
高い約定力はFX会社選びの最重要条件ですが、外貨exは2022年10月21日の為替介入時、私の指値は注文レート通りに約定してくれてました。
また、スマホでトレードする方には、"Cymo"というアプリを是非一度使用していただきたいです。
"Cymo"はサイバーエージェントFX時代からのアプリで、GMOグループになった現在はアップデートが停止していますが、チャートの見やすさやIFD-OCO注文のしやすさは抜群です。チャートの見やすさは適切な判断に、注文のしやすさは精神の安定に欠かせません。
まだ使用されたことのない方は、ぜひ一度使ってみてください。
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大きな流れに逆らうときは控えめに
流れに逆らって泳ぐのは大変ですよね。トレードも同じです。大きな流れに沿った形の方が良い結果が出やすいと思います。今のトレードは大きな流れに沿っているのか?それとも逆らっているのかを意識するようにしましょう。
抵抗線を抜けた際の損切りは潔く
統計上、抵抗線を抜けた場合、逆方向の抵抗線になる可能性が高いです。
つまり、損切りをしないということは、損失拡大につながる可能性が高いというわけです。抵抗線を抜けた際には躊躇なく損切りしましょう。
さいごに
FX裁量トレードにおいては、長期間退場せずに生き残ることが最も大切です。長期間FXを継続することができればトレードスキルは自ずと身について来るからです。
私は平日毎朝、noteとPostPrimeでFXトレード戦略情報を無料で発信しています。儲かる保証などは到底できませんが、私のFXトレード戦略情報を読んでいただければ、FXで大損して即退場となるリスクは下げられると思っていますので、もしよろしければご覧ください。
以降は毎週同じことを書いていますが、本当に大事なことなのでブログでも書きます。
私はFX歴17年になった今でも必ず「トレードの振り返りと戦略構築」を行うようにしています。トレードしていれば毎回成功なんて言うことはありえません。成功もあれば失敗もあります。
そして、成功したときには自制が、失敗したときには改善が必要です。
そのためには、過去に自分がどういう考え方で取引したのかを振り返り、改善して次に活かしていく必要があるんです。
最近FXトレードを始めたばかりの方や成績が安定しない方は、騙されたと思って来週の戦略構築を立てて記録する習慣をつけてください。
記録はノートでも何でも構いません。
もし継続して実践することができれば成績は自ずとついてきます。
あなたが無理なく続けられる範囲で、少しずつアウトプットしてみませんか?
「具体的な記録の仕方がわからない」など質問や要望があれば遠慮なく、質問箱等で連絡ください。質問箱なら匿名で質問できますので、どうがお気軽に連絡いただければと思います。
注意:本記事の記載内容は私の個人的な相場認識やトレード戦略を公開しているものです。読者の皆さんに積極的な取引を推奨しているわけではありません。 投資実行判断は自己責任でお願いします。
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